Shitennoji University
普段何気なく着ている洋服のこと、どれくらい考えていますか?流行を追いかけるのも楽しいですが、実はファッションと環境って、深いつながりがあります。
四天王寺大学短期大学部ライフデザイン学科は、繊維製品の廃棄による環境負荷を減らすために、関西の大学生と研究者が力を合わせて結成したチーム“エンウィクル”に参加しています。
エンウィクルが主催するイベント「私たちのSDGs2025 〜繊維製品の循環をめざして〜」は4年目を迎え、今年は大阪のブリーゼブリーゼ1階メディアコートで2025年9月4日(木)から6日(土)の3日間開催されました。このイベントを通して、ファッションと環境問題、そして持続可能な社会について考える取り組みをご紹介します。
今回のイベント会場で、不要になった衣料品の回収プロジェクトを実施しており、廃棄されるはずだった繊維製品が、学生たちの手によっておしゃれで新しいアイテムに生まれ変わる様子を、目の前で見ることができます! 実際に学生たちのアイデアで、どんなデザインが登場したのか、アップサイクルの様子を見てみましょう。
できあがったのは、小ぶりなリュックです。本体の元はピンクのストールだったもの、そして青い網は工事用のネットの廃材で、青いリボンも肩紐もご提供いただいた廃材です。
回収された衣料品を学生がアップサイクルすることで、捨てられるはずだった服が、また誰かの役に立つなんて素敵ですよね!
エンウィクルに参加している大学生による繊維廃材を活用したワークショップでは、ものづくりを通して、アップサイクルの楽しさを実感できます!ライフデザイン学科の学生たちは「FUKUの恩返し」と題して、手織り機を使った「裂き織り」で、キーホルダーやゴムバンドづくり体験を実施しました。
こちらは学生がデモンストレーションで作った、白とシルバーのシュシュ。リボンもついていい感じですね!
大学の先生や企業の方々から、「繊維は面白い」「メリノウールとオーストラリアのウールサプライチェーン」「低価格の洋服の喜べない現実」といった、普段なかなか聞けないような興味深いテーマについて学ぶことができる特別講演&企業トークショー。
学生や社会人、企業の方々など、たくさんの方にご来場いただきました。将来、ファッションや環境問題に関わる仕事がしたいと考えている学生の皆さんには、貴重な機会になりました。
学生トークショーでは、学生同士がアップサイクルで作った服について、その創造のアイデアとこだわりを発表しました。イベント二日目に行われた学生トークショーでは、ライフデザイン学科の学生がMCを務める一幕もありました。
捨てられるはずだった繊維廃材たちに、学生目線のアイデアで新しい服として生まれ変わらせます。白いシャツの後ろは燕尾の形になっており、こだわりポイントの1つ。装飾にあしらった青いリボンも、綺麗に整えられた形ではなく、リボンが持つ柔らかさや揺らぎを表現したのですが、縫製でとても苦労したそうで、発表したアップサイクルファッションは、この後のファッションショーでお披露目しました!
学生たちが繊維廃材を活用し、新たな価値を創出した作品たちをファッションショーでお披露目しました!公開リハーサルを経て、ライフデザイン学科の学生たちもアップサイクルしたファッションを堂々とランウェイで表現し、しっかりと観客や関係者の皆様にアピールしました!
実際に参加した学生のコメントを紹介します!
「廃材となったカーテンを使用して、シャツを作成しました。カーブを縫うときなど難しかったり、制作において苦労することもありましたが、この活動を経て捨ててしまうからゴミと考えるのではなくこれはまだなにかに使えるんじゃないかと考えるようになりました。」
「他大学の学生や先生との交流、企業様の公演などの貴重な体験ができ、とてもいい経験になりました。ファッションショーや古着ラボにも参加し、アップサイクルへの意識や他のイベントに参加してみたいという意欲も高まりました。」
このイベントには、四天王寺大学短期大学部ライフデザイン学科の他にもたくさんの大学が参加しています。学びを通して学生が、どんな活動をしているのかを見るだけでも刺激になるはずです!
ファッションは、私たちの生活を豊かにしてくれる素敵なもの。ですが、その裏で繊維廃材として環境負荷に影響を与えていることも事実です。このイベントを通して、ファッションとどう向き合い、持続可能な未来のために何ができるかを考える、大切なきっかけになれば幸いです。