Shitennoji University

2026年7月7日、看護学部3年生83名と、韓国・ドンウォン科学技術大学校の学生30名が、高齢者看護をテーマにした合同演習に挑みました。テーマは「認知症看護」。最新のシミュレーション設備を舞台に、日本と韓国それぞれの学生が意見を交わしながら学びを深めた3時間半。今回はその様子をレポートします!
演習に先立ち、ディブリーフィングルームで看護学部の紹介から四天王寺大学の建学の精神や看護師資格の取得方法について説明し、あわせて多くのグループ施設があることも紹介。地域での活動や海外研修など、キャンパスの外にも広がる学びの機会が伝えられ、韓国の学生たちも興味深そうに耳を傾けていました。

続いて向かったのは、シミュレーションルーム。臨床現場さながらの空間で、高機能シミュレーターモデル人形を使ったリアリティのある学修が行われました。臨床現場をリアルに再現し、「わかる」を「できる」に変えていくシミュレーション教育は、今では多くの教育機関で取り入れられている学修方法。安全な環境の中で、効果的に確かな看護実践スキルを体得できることが大きな特長です。

いよいよ本題の老年看護学演習がスタート。日本と韓国、それぞれの高齢者看護の違いについて、学生たちが学びを深めていきます。
実習室をオンラインでつなぎ、各グループがホワイトボードにまとめた意見を発表・共有しました。「認知症の患者さんの幻視や妄想を否定せず、その人の世界観をまず受け止めること」、そして安心感を与えるための共感・傾聴・タッチング・穏やかな声かけといったコミュニケーション技術の大切さが、繰り返し語られました。あわせて、安全な療養環境を整えることの重要性についても理解を深めました。


次に取り組んだのは、動画に登場する認知症患者役の模擬患者への対応を考えるワーク。知識だけでは対応しきれない臨床判断の難しさ、そして患者さんの反応に応じて柔軟に対応する力の必要性を、学生たちは肌で実感したようです。今後の臨地実習に向けて、新たな課題と学習意欲を得る貴重な時間になりました。


最新のシミュレーション設備を使い、教員と学生が一緒になって学ぶ今回の演習スタイルは、学生の学修意欲を大きく高めることがわかりました。日本と韓国、学生同士の交流は教育方法や文化の違いを相互に理解するきっかけとなり、国際交流を通して看護観を広げる機会にもなりました。


同じ演習に参加しても、日本と韓国の学生では印象に残った学びに違いが見られたのも、今回の興味深いポイントです。
日本の学生は、幻視、物忘れ、見当識障害、記憶障害、徘徊など、認知症の症状や行動上の特徴に注目し、疾患・症状の側面から認知症を捉える学びが中心でした。 一方、韓国の学生は、共感、傾聴、否定や説得をしないといった、認知症の方への関わり方やケア、心理的支援を中心とした学びが多かったようです。



韓国の学生からは、「楽しい」「幸せ」「役に立つ時間だった」といった声が多く聞かれました。特に印象に残ったのは、日本の学生の親切さや明るさ、笑顔、そして相手を思いやる温かい雰囲気だったそう。熱心に学ぶ姿や落ち着いてシミュレーションに取り組む姿、メンバー同士で活発に意見を交わす様子からは、学修意欲や協働する姿勢も伝わったようです。
また、日本語や大阪の名所、食文化などについて知る機会にもなり、お互いの国への理解を広げるひとときとなりました。

演習を終えた学生たちは、全員で記念撮影。

限られた時間の中で、認知症看護を通じて日本と韓国、両国の学生が異文化理解を深められたことは、とても有意義な経験となりました。