Shitennoji University
四天王寺大学看護学部では、助産コース・看護コースの母性看護学ゼミの学生を対象に、出生時に胎外呼吸循環が順調に移行できない新生児に対して、いかにして心肺蘇生法を行うべきかを学ぶことを目的に、新生児蘇生法(Neonatal Cardio Pulmonary Resuscitation)講習会を開催しています。今回は、5月15日(木)に開催した講習会の概要をお届けします!
日本周産期・新生児医学会では、「すべての分娩に新生児蘇生法を習得した医療スタッフが新生児の担当者として立ち会うことができる体制」の確立をめざし、2007年から新生児蘇生法(NCPR)普及事業をスタートしました。全国で開催されるNCPR講習会受講後の試験を受けて合格すると、3年間有効の新生児蘇生法修了認定証書と写真入りカードをもらうことができます。
この講習会を受講し、修了認定資格を得るということは、標準的な新生児蘇生法の理論と技術を習熟しているという証であり、産科や新生児救急で働く医師・助産師・看護師・救急救命士等においては職務上必須とも言える資格です。
今回、本学で開催したのはNCPR講習会一次コースで、免許を持たない看護学生・助産学生等を対象にしたものです。
NCPR修了認定資格取得支援を行うのは、「日本周産期・新生児医学会公認インストラクター資格」を持つ本学看護学部の教員。産科・小児科へ就職を希望する8名の看護学部生が講習会に参加しました。
日本周産期・新生児医学会では、今回実施した一次コース講習会は3時間程度の講義・演習となっていますが、本学の看護学部生は、時間を掛けて1日しっかりと行いました。常勤の看護学部教員がインストラクターとして講習会を開催できる大学は多くなく、しっかりした講義・演習から費用面までサポート体制とメリットが満載です!
演習では、たくさんの事例を想定したシミュレーションで、新生児救命に必要な技術を身に着けます。出生後、最初は60秒、その後は30秒ごとに、児を評価・実践を繰り返しますが、特に最初の60秒以内に、蘇生が必要かどうかを判断し、必要な児に適切な人工呼吸を開始できるかが、児の予後に大きくかかわります。この講習会では最も難しいところですが、皆さんよく頑張ってくれました!
講習会後の認定試験では、なんと8名全員が合格し、合格率は100%!素晴らしい結果になりました!
本学看護学部では、この取組によって学生が助産師・看護師となって多くの児の救命と重篤な障害の回避に貢献し、我が国の母子救命につながっていくことを期待しています!