Shitennoji University
四天王寺大学で活動するYOSAKOIソーラン部「仏喜踊(ぶきよう)」は、2025年11月の大学祭をもって活動を終了します。最後のステージに挑むメンバーは6人。部長としてチームを牽引してきた玉置友羅さんと、振り班(振り付けの考案・指導)として支えてきた松井つきのさんに、これまでの歩みと“最後の演舞”に込めた思いを聞きました。
ーまずお2人が仏喜踊に入部したきっかけを教えてください。
[玉置さん]幼い頃から地元のお祭りでよさこいを見てきて、大学では自分も挑戦してみたいと思っていたんです。入学のタイミングで仏喜踊の存在を知って入部しました。でも、もともと後方からサポートするのが得意なタイプなので、自分が今こうして演舞をやったり、部長をしていることには自分でも驚いています。
[松井さん]小学校3年生〜高校3年生までソフトボール部に入っていたのですが、大学でも何か身体を動かすことに挑戦したいと思っていたときに、入学式で仏喜踊の演舞を見たんです。そのパフォーマンスがすごく格好よくて入部を決めました。
ー仏喜踊における2人の役目を教えてください。
[玉置さん]パフォーマンス中に観客を盛り上げる掛け声を「煽り」って言うんですけど、その内容を考えています。また、今年からは衣装づくりも担当しています。演舞にはテーマがあるので、それに合わせて衣装の生地やデザインを考えます。「踊ったときにどういう風に見えると綺麗なのか?」を考えながら作ってますね。
[松井さん]私は振り班と統括班の班長、会計を務めています。振り付けをメンバーに指導したり、効率のよい練習を目指して取り組んでいます。
[玉置さん]今、仏喜踊のメンバーは私たちを含めて6人しかいません。チームの運営として必要な仕事を2人で分担しているような状態ですね。
[松井さん]人数が少ないと演舞を作るのも大変です。どうしても人の密度だったり声の圧が落ちてしまいステージ上の迫力がなくなるので。でも人数が少なくなると、より一人ひとりの注目度は上がるので「顔の向きをこの角度にしたら、もうちょっとよく見えるよね」みたいな感じで表情管理に気をつけたりして工夫しています。大人数のチームに嫉妬せず、前向きに切り替えることで乗り切ってきましたね。
ー2025年11月の大学祭で活動終了と聞きました。
[玉置さん]理由はやはり人数不足です。来年には私たちを含めて3人が抜けるので、活動を継続するのは難しいな、という結論に至りました。1年生のときに名古屋のお祭りで決勝戦まで連れて行ってもらったり、お祭りの参加に合わせて旅行に行ったり、先輩たちには本当に良い景色を見させてもらったなって思ってるんです。その同じ光景を後輩たちに見せてあげられないのが悔しいし残念です。もっとよさこいの楽しさを伝えてあげたかったな、って思いますね。
[松井さん]今が仏喜踊の16代目になるんですが、歴史を繋いできた先輩方には申し訳ない気持ちでいっぱいです。自分たちが引退後に、後輩が大学祭やお祭りで演舞してる姿を応援しに行きたかったな、っていう悲しさや寂しさがありますね。
先輩との印象深い思い出は、昨年の大学祭の前に「振りが綺麗になったね」って褒めてもらったことです。私は大学からよさこいを始めたので1年生のときは上手くできませんでしたが、ようやく形が出来てきたんだという自信になりましたね。
[玉置さん]7月の頭ぐらいにSNSで活動終了のことを投稿したら、OB・OGだけじゃなくて、色んな方々から「昔、演舞を見てからずっとファンです」とか「仏喜踊のこと大好きです」という声が届いてとてもびっくりしましたし、「愛されてるチームだったんだな」ってことが実感できて、それが一番嬉しかったですね。
実は昨年の大学祭が終わったときにも先輩に「6人になるんだったらどうする?少なくなるし、自分たちの世代で終わらせるのもありだけど」って言われたんです。でも、私たちは「自分たちの演舞が作りたいな」って思ったんです。よさこいが好きなんで。で、先輩には「私たちは続けます」って伝えました。
[松井さん]私も途中で辞めるのが嫌で、やるって決めたら最後までやりたかったので続けることに決めました。
ー改めて仏喜踊の魅力は何でしょうか?
[松井さん]他のチームとかなかなかないんですけど、私たちは演舞中にメンバー同士を鼓舞するために名前で呼び合ったりしてるんです。それがすごく仏喜踊らしいですし、ステージ上での一体感に繋がってると思いますね。
[玉置さん]やっぱりチームの関係性ですね。メンバー一人ひとりのこだわりが強く、演舞を仕上げるときはたくさんぶつかったりしましたが、そのぶつかり合いで絆が生まれたり、だからこそ良い演舞になるんだな、ってことを実感しました。
ー仏喜踊に入部して良かったことはどんなことがありますか?
[玉置さん]学内だけじゃなくて学外の人との交流が増えたことですね。私が1年生のときに、北海道大学のよさこいのチームが四天王寺大学に来てくれて交流をしたんです。そのとき仲良くなった子とはお祭りで会うと色んな話をしたりします。また、他のチームで知り合った人と、別のイベントでも顔を合わせることがあって声をかけてもらえるのはすごく嬉しいです。人間関係が縦にも横にも広がったことは部活動をやっててすごく良かったことですね。
[松井さん]私は自分に自信が持てるようになったことです。最初は本当に緊張して、自信なさそうに踊ってたんですが、演舞中ってめちゃくちゃ写真や動画を撮られるんです。なので、表情のつくり方だったり表現力だったり、「いかに自分を良く見せるか?」という客観的視点を持ちつつ、自信を身につけられたのは大きな財産ですね。
ー最後に今年の大学祭に込める思いを教えてください!
[松井さん]今までとは全然違う演舞をつくりましたし、人数が少ないからこそできる演出を意識しました。私たちも全力でパフォーマンスをするので、今年は絶対見に来て欲しいです!!
[玉置さん]最後なので、後悔したとしても「次の演舞で頑張ろう」ができません。なので「この大学祭で終われて良かった」と思えるよう、やり切るしかないんです。
本当に私にとって仏喜踊で過ごした時間は人生で一番の青春です。歴代のOB・OGにも「見に来てください」って伝えていて、過去最大級の観客に見守られながら、これまでの集大成を見せたいと思います!