Shitennoji University

2025年11月に開催された「第5回 若木杯関西学生剣道大会」で、男子5人制・女子3人制の2部門優勝を果たした四天王寺大学剣道部。以前は部員不足で団体戦に出場できないことも多かったチームが、仲間を増やしながら掴んだ快挙です。今回は、互いに信頼を寄せ合う主将と主務のふたりに、チームの魅力や剣道を通して培った力、そして今後の目標について伺いました。

左から 剣道部 北澤武大さん(教育学部3年生)、主将 岡田紘弥さん(教育学部3年生)、主務 森本航矢さん(教育学部2年生)、田中愛依さん(文学部2年生)
・主将 岡田紘弥さん
小学1年生から剣道ひと筋。部員の声に耳を傾けながらチームを牽引する、聞き上手な主将。稽古の号令から大学への提出書類まで担う。趣味はボウリング、古着巡り、車・バイク。
・主務 森本航矢さん
中学・高校は強豪校の剣道部で6年間鍛錬を積んだ実力派。今年度から主務として、大会関係の書類作成や部員登録、代表者会議への出席などでチームを支える。スポーツ観戦が趣味。
-まずは2025年秋の快挙から。第5回 若木杯関西学生剣道大会では、男子・女子の2部門で優勝を果たしました。
[岡田さん]剣道部はずっと部員が少なくて、人数が足りず、団体戦に出場できないことも多かったんです。それがここ数年で少しずつ仲間が増えて、今は男子10人、女子4人の合計14人。この大会では男子5人制・女子3人制の両部門に人数をそろえて出場することができました。
[森本さん]特に忘れられないのが、男子5人制の準決勝ですね。相手はこの大会を2連覇していた勢いのあるチーム。それまでの試合も苦しい場面から僅差で勝ち上がってきていたので、その流れを切らさず、5人全員がそれぞれの役割を果たして勝ちきることができました。
[岡田さん]誰かひとりではなく、全員で掴んだ優勝だったので、本当に誇らしかったです。

-勝利の要因はなんでしょうか?
[岡田さん]特別なことをしたというより、普段の稽古の積み重ねだと思います。僕たちは平日の稽古が1時間と短い分、一人ひとりが自分の課題を明確にして取り組むようにしています。先輩後輩に関係なく助言もし合いますし、そうした日々の密度が、あの大会で結果につながったのかなと感じています。
[森本さん]そうですね。「せっかく人数がそろったんだから、しっかり勝ち上がっていこう」という気持ちで、みんなで稽古を重ねました。男女そろって団体戦に出られるのは、僕らにとって当たり前のことではなかったので。その喜びも、日々の稽古への熱につながっていたと思いますね。

-その普段の稽古について、詳しく教えてください。
[岡田さん]活動は月・水・土曜日の週3回です。素振りや基本稽古、応用技の稽古、打ち込み稽古など、基礎を大切にしながら取り組んでいます。平日は学生主体で、一人ひとりがそれぞれの課題に集中しています。
[森本さん]土曜日は、監督・コーチが自ら防具をつけて、直接稽古をつけてくださるんです。活動時間は限られていますが、その分、中身の濃い稽古ができています。
[岡田さん]だからこそ、学業やアルバイトと両立しやすいのも剣道部の魅力です。限られた時間の中で、集中して取り組むことをみんな大事にしていますね。


-稽古以外も含めて、チームはどんな雰囲気ですか?
[岡田さん]ひと言で表すと「まじめチーム」ですね。稽古が終わったら、さっと片付けてそれぞれ帰るんですよ。稽古中は目の前のことだけに集中して、終わったら各々の時間に戻る。オンとオフがはっきりしているチームですね。
[森本さん]稽古では、先輩後輩に関係なく全力でぶつかり合っています。普段は、いい意味で友達のような距離感ですね。僕が1年生のときは、当時の4年生の先輩とも敬語なしで話せるくらいでした。だから僕も、気付いたことを岡田さんに直接言えますし、岡田さんはそれを監督やコーチにきちんと伝えてくれる。すごく頼りになる存在です。
[岡田さん]僕からすると、森本さんが主務として試合の手続きや連絡を前もって進めてくれるので、安心して任せられるんですよね。僕自身、もともと人の話を聞くのが好きなので、後輩たちが気軽に話しかけてくれるのもうれしいです。こういう風通しの良さは、代々引き継がれてきたものだと思いますね。

-2026年度から本学の強化クラブにも指定されました。
[岡田さん]素直にうれしいです。指定されたばかりで、正直、実感はまだこれからなのですが、大学が剣道部に期待してくれているんだと思うと、さらに気が引き締まりますね。
[森本さん]大学がこうしてピックアップしてくれること自体がありがたいです。これをきっかけに、もっといろんな人に剣道部を知ってもらえたらうれしいですし、恵まれた環境に結果で応えていきたいです。
-おふたり自身は、どんなきっかけで入部したんですか?
[岡田さん]僕は小学1年生から剣道を続けてきて、ここまで積み上げてきたものを大学で終わらせたくなかったんです。もっと実力を磨きたいという気持ちで入部しました。
[森本さん]僕も昔から剣道をしていて、入学前から剣道部に入ると決めていました。中学・高校から知っている先輩が多かったのも大きかったですね。ただ、大学の部活はもっと自由なイメージだったので、実際は思っていたよりしっかり活動していて、いい意味で「ガチなんだ」と(笑)。もっとレベルを上げたい自分には、ぴったりの環境でした。

[岡田さん]僕たちは経験者ですが、未経験でももちろん大歓迎です。今年も未経験から入部した部員がいます。経験に関係なく、みんな一生懸命まっすぐに剣道と向き合っているので、自然と「一緒にがんばっていこう」と思えるチームですね。
[森本さん]経験者にはさらにレベルを上げられる稽古があるし、初めての人には基礎から一緒に取り組める仲間がいます。本気で強くなりたい人も、剣道をやってみたい人も、少しでも興味があれば、まずは稽古をのぞきに来てほしいですね。


-剣道を続ける中で、苦しかった時期はありましたか?
[岡田さん]大学2年生のときに出場した2025年の関西学生剣道選手権大会です。大会前からスランプで、4年生の引退試合でもあったのに、僕が2本負けをして流れを変えてしまって。試合後は号泣しました。でもコーチや先輩の言葉に励まされて、「迷惑をかけたらいけない」ではなく「楽しんで試合をしよう」と切り替えたことで、少しずつ自分の剣道を取り戻せました。
[森本さん]僕は、受験期に剣道から離れて体力が落ちたことです。加えて、大学では対戦相手のレベルも上がり、そこから短い時間の使い方を意識するようになりました。平日1時間の稽古で、試合に出せるものをどれだけ増やせるか。限られた時間で力を発揮する練習を大切にしています。

-そうした経験も含めて、剣道を通して身についたものはありますか?
[岡田さん]責任感と仲間への信頼です。主将になって、稽古やチームをまとめること、大学への手続きなどにも責任を持つようになりました。同時に、支えてくれる仲間の存在の大きさにも気付けましたね。
[森本さん]僕は主務として、大会の書類作成や部員登録などを任せてもらっています。締め切りを守って正確に進めることや、短い時間で成果を出す工夫は、将来にも生きると思っています。

-おふたりが感じる剣道ならではの魅力は何ですか?
[森本さん]団体戦であっても、試合そのものは1対1なんです。自分の動作に相手がどう反応するかを予測し合う「読み合い」のスポーツ。常に頭で考えながら戦っています。
[岡田さん]加えて「流れのスポーツ」とも思っています。個人戦でも1本取ったらその人に流れが来るし、団体戦も先鋒が1本取ればチームに流れが来る。その流れをみんなでつかみにいくのがおもしろいんです。
[岡田さん]剣道は「人間形成」のスポーツとも言われます。何歳になってもできる生涯スポーツで、培ってきたものがそのまま剣道に出る。僕自身、誰と会っても挨拶をする、どこかに入るときは「失礼します」と言う。そんな礼儀が自然と身につきました。将来どんな道に進んでも、必ず役立つと感じています。


-これから剣道部としての目標を教えてください。
[岡田さん]団体でも個人でも、全国の舞台に立つことです。
[森本さん]僕も全日本学生剣道選手権大会への出場が目標です。そのためにも、チーム全体でさらにレベルを上げていきたいですね。
-最後にいつも応援してくれている人たちへメッセージをお願いします。
[岡田さん]コーチは試合に付き添って、その場でアドバイスをくださいます。そのおかげで取れた1本が実際にあって、近くで支えてもらえるありがたみを改めて感じています。これからも、結果で応えられるようにがんばります。
[森本さん]保護者のみなさんが毎回試合に来てくださったり、先生方が見守ってくださったり。それって当たり前のことじゃないなと、毎回思っています。四天王寺大学で剣道ができることに、たくさんの人が関わってくれている。その感謝を忘れず、これからも切磋琢磨していきます。

