受け継いだ想いをつなぐ新たな道 —四天王寺大学 茶道部 新・旧部長対談—

この記事をシェア
LINE
Facebook
X

コロナ禍でほぼ休部状態にあった茶道部は、未経験で部長に就いた綾野さんを中心に体制を立て直し、現在約20名まで部員が増加。大学のイベントだけでなく地域との交流にも積極的に参加し、活動の輪は大きく広がっています。既に茶道部を引退した4年生の綾野さんと、同じく未経験で部長を引き継いだ2年生の新本さんに、茶道部の詳しい取り組みや部員が増えるまでの道のりについて伺いました。

(左)人文社会学部(※)4年 綾野眞悠さん (右)社会学部2年 新本知世さん
※2024年4月より社会学部

「部員3人」からの再始動

ーまず、茶道部が現在の体制になるまでの経緯を教えてください。

[綾野さん]コロナ禍で飲食系の活動が難しくなり、茶道部は休部状態でした。私は1年生の冬に友人から「部員が3人しかいないので来てほしい」と誘われ、茶道未経験ながら入部しました。翌年度からは部長を務めました。部長になってすぐに海外からの留学生に茶道を教えるイベントのオファーをいただいて最初からバタバタでしたね。「人数も少ないし、やり方も分からないし、どうしよう…」って。

茶道部は外部から先生をお招きして教わるケースが多いのですが、コロナ禍でそのつながりも切れていたので、まずは大学内で茶道に詳しい先生を自分たちで探して顧問をお願いするというところから始めました。今思い返すと手探りのスタートでしたね。

[新本さん]私は入学前からオープンキャンパスや個別相談に積極的に参加していて先輩方と顔なじみになり、その流れで茶道部の存在を知りました。もともと紅茶や中国茶、緑茶など“お茶そのもの”が好きで茶道にも興味があったので、私も未経験でしたが挑戦してみようと思いました。綾野さんから部長を引き継いで2年になります。

[綾野さん]新本さんは高校3年生のときに大学祭のイベントに来てくれていたので、そのときから知り合いでした。それで勧誘して。新入生なのに勧誘のチラシ配りにも参加してくれて頼もしかったですね。

茶道で広がる人の輪・地域の輪

ー普段の活動の様子を教えてください。

[新本さん]普段の稽古は、道具を準備して基本手順をみんなで練習していくようなイメージです。お点前の順番や所作、特に使っていない手の置き方など細部が難しく、節目では顧問の先生に所作を見ていただいて修正しています。大変ではあるんですが、終わった後にお茶とお茶菓子をいただきながら、部員のみんなでお互いができたこと・できなかったことを共有する時間はとても楽しいです。人数が増えてきこともあり、今は週1回で活動していますが週2回に拡大しようとしているところです。

[綾野さん]教本や動画を見たり、顧問の先生のアドバイスを頼りに手順や所作を学び直して徐々に体制をつくっていった感じですね。人数もノウハウも足りない中で迷うことや悩むことがありながらも何とかやってきましたね。

[新本さん]普段の活動の他に、留学生向けのワークショップなどイベントへの参加もしています。地域の「歴史祭」にも参加させてもらったり、子ども食堂でお茶を点てたりもしました。また、大阪市内の高校の茶道部のお茶会に参加させてもらったりもしています。

[綾野さん]地域の子どもたちやお年寄りの方とコミュニケーションが取りやすいし、茶道を通じて地域連携や多文化交流を広げていけるのも魅力のひとつだよね。

[新本さん]ほんとにそうですね。大学祭でもカフェ形式で抹茶と和菓子のセットを提供しました。お菓子・抹茶の発注や予約管理、提供オペレーションの整理、そしてお茶のお点前を均一化することが準備の肝です。昨年も大盛況で行列ができたので、きちんと準備をして今年はうまく回せられたと思います。普段は和気あいあいとした雰囲気なんですが、イベント時はスイッチをうまく切り替えて臨みんでいます。

これからも茶道に対する敬意や心構えは忘れずに続けたい

ー茶道部の活動を通じて得た学びを教えてください。

[綾野さん]やはり未経験から始めて部長になった経験が大きいです。人を巻き込んで何かしようと思ったらまず、自分が楽しむことが大切なのだと学びました。

[新本さん]私は綾野先輩の行動力に惹かれました。自分も茶道未経験でしたが、何も分からないことに飛び込んでみても「意外と何とかなるな」って思えるようになったことが成長かもしれません。あと、部長であってもできることは限られていますし、今は人数も増えたので「周りに頼る力」がついた気がしますね。

[綾野さん]でも本当に部員が増えたことがすごいよね。私が入部したときは一番の課題が「人数が少ない」っていうことで、とりあえず認知度を上げて部員を増やさないといけない、という点が大変だったので。部員が3人のときとか、日が暮れてからこの和室に来ると真っ暗なんですよ。今はいつも誰かいるので、「明かりが点いてる!」みたいな感動があります。

大学で授業補助もしてるんですが、茶道部を少しでもPRしようと思って浴衣で参加したこともありました。「その格好何ですか?」って1年生に聞かれたら「茶道部です」って言って、自分自身で宣伝するみたいな笑。

ー部長としてバトンを受け取った新本さんとしていかがでしょうか?

[新本さん]人数が多くなってきたからこその課題もあると思います。部内の仕組みづくりであったり、コミュニケーション不足で誰が何をするべきか分からなくなったりとか。あくまでも「茶道」がベースですし、お点前はもちろん、「どういうお菓子を選ぶか?」「どんな掛け軸を選ぶか?」「どんなお花を飾るか?」、そういったことも作法の一部です。「趣味」でもいいんですが、部活動ですし、季節やお客様に合わせて、おもてなしの精神を発揮するということは忘れずに活動していきたいですね。

WRITER
わわわ編集部
関連リンク
四天王寺大学 茶道部:公式Instagram
四天王寺大学:クラブ・サークル紹介
  • ホーム
  • 「寮に入ってよかった!」先輩×後輩が語るリアルな寮生活