「地理総合」「歴史総合」の模擬授業に取り組みました!



 社会学科では、中学校社会、高校地理歴史・公民の3種類の教員免許を取得することができます。これらの免許を取得するために、3回生になってからは、「社会教科教育法」「社会地理歴史教科教育法」といった教科の指導方法に関する科目を履修していきます。夏学期の「社会地理歴史教科教育法」では、高校の地理歴史科の模擬授業に取り組みました。

 今年度から、高校の地理歴史科に「地理総合」と「歴史総合」という科目が新設されました。3回生の学生にとっては生徒の立場で受けたことのない科目です。そこで、「地理総合」や「歴史総合」の実施を見据えて授業づくりに取り組まれてきた先生方の事例を検討したり、授業づくりの参考になりそうな資料を探したりするなどして、模擬授業の準備を進めてきました。

 では、実際に学生の皆さんが取り組んだ模擬授業の様子を紹介します。「歴史総合」のグループは、「江戸時代の生産・流通と諸改革―田沼意次の政治と商品経済の発達―」「アヘン戦争が与えた日本への影響」「明治新政府の成立と諸改革」「明治時代―国境と領土の画定」を扱いました。「地理総合」のグループは、「熱帯地域の自然環境と生活」を扱いました。模擬授業は3人から4人のグループで取り組みました。

 高校の地理や歴史の授業は、教師が一方的に講義をして板書をするイメージが強いかもしれません。しかし、それだけでは授業として成立しません。今回の模擬授業では、教師役の学生が、生徒役の学生に質問を投げかけたり、意見を聞いたりしながら、授業を組み立てていました。

 ところで、「学生同士で模擬授業をしても力がつかないのでは?」と疑問に感じる人もいるかもしれません。実際のところ、最初は生徒役の学生も「大学生の感覚」で答えるケースが多かったのですが、次第に高校生ならどう答えるかを考えて発言したり、教師役の説明がわかりにくい場合には高校生になりきって質問したりするなど、有意義な模擬授業になりました。

 さらに今年度は、教員志望の1回生が見学に来てくれました。3回生は緊張しながら模擬授業に取り組みましたが、なかには1回生に質問したり、意見を求めたりするなど「手荒い歓迎」をする学生もいました。1回生は驚いていましたが、授業後に感想を聞いてみると、「実際に高校の授業を受けているようだった」「自分たちも先輩たちのようになりたい」と語ってくれました。

 模擬授業の回も後半になると、アクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)を意識した学習活動を取り入れるグループも出てきました。生徒役の学生は、普段以上に熱心に活動に取り組み、その様子に教師役の学生が戸惑う場面もありました。それでもグループ内で議論された意見をクラス全体で共有し、授業のまとめを行うという高度な方法に挑戦してくれました。

 模擬授業後、教師役の学生は、実際に授業をしてみてどうだったか、振り返りを行います。生徒役の学生は、模擬授業の良かった点と課題点・改善案をまとめ、クラス全体で共有し協議を行います。生徒役の学生からは、鋭い指摘が出されることも少なくありません。ただし、それを教師役の学生に対する批判に留めるのではなく、「自分たちの課題」として共有し、今後の模擬授業や教育実習に活かしていくことが重要です。

このように、社会学科では、中学校や高校の教員を目指して、みんなで楽しく真面目に学んでいます!

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