人文社会学部 社会学科 -最新情報-

コロナ禍におけるフィールドワーク実習の取り組み

    社会学科には4つのコースがありますが、その中で地域・メディアコース人間・社会コースは主に社会学を中心とした科目により構成されています。社会学とは「調査をふまえて社会の現実を理解し説明する学問」です。将来、さまざまな仕事や活動を通して、よりよい社会を築くために、調査のスキルを身につけることは、社会学科生の1つの目標でもあります。

 

    調査には、大きく、アンケート調査、文献等資料の収集、そしてフィールドワークがあります。それぞれ社会学の重要なスキルですが、この中でも、五感を通して現場で起きている状況を把握し、考えるべき問題と仮説を考えるフィールドワークは、より本質的な現実に迫るため、また、現場の知識を広く社会に生かすために、他の調査の前提となる重要な作業になります。

 

    しかし、昨年来続くコロナ禍では、現場におもむくフィールドワークが難しいのも現実です。授業「社会調査実習」では、大学が立地する羽曳野市の事業者の方々にご協力を頂き、大阪府が緊急事態宣言に入る前の2021年7月に、「羽曳野市と食」をテーマとして、コロナ対策を行いながらフィールドワークの実習を行いました。

引率の田中清隆先生による巡検ノート

 

 はじめに訪問させて頂いたのは、昨年11月にもお世話になったぶどう生産者である堂﨑農園さんです。今年はぶどう収穫の時期に近いこともあり、収穫体験と実食をさせて頂きながら、国内産地別の特色や生産に関する苦労と、高い品質を維持するための工夫を伺いました。

 

 次に訪問したのは、戦前の1930年代に創業した歴史あるワイナリーである河内ワインさんです。ワイン用のぶどうの栽培と醸造所に関する解説を伺い、各種のワインと、ブランデーを用いた梅酒を試飲させて頂くことで、ぶどうからもたらされる多様な可能性についての理解を深めました。

 

  最後に訪問したのは、イチジクを栽培されている藤井農園さんです。足の速いいちじくは都市近郊で栽培される果物の代表でもありますが、ハウス栽培の利用や収穫した日に出荷するこだわりなど、新鮮な果物をできるだけ長い期間、消費者に提供するための工夫について伺いました。

 

「収穫を体験させてもらいましたが、斜面に登りながらの作業など、正直しんどい作業だと感じました。最盛期には、多くのかごを持ちながらの収穫をするので尋常じゃない作業だと考えられます。」「農家の人手不足や後継者がいないという問題は、ニュースで取り上げられているが、実際に近くの羽曳野の農家でもこういった問題があり身近に感じた。」、「後継者がいなかったり、だんだん歳をとると動けなくなるため、サポートする道具を作ったりと大変な仕事だと感じた。」など、今回のフィールドワークは、学生の皆さんは現実を理解し、問題を考えるきっかけになったようです。

 不確実で複雑化する世界の中で、いかにして問題を把握し、新たな未来への道を切り拓くか。そのためになすべき学問の役割はますます増大していると考えています。困難な状況ではありますが、社会学科では学生の皆さんと世界の将来を念頭に、状況に応じた最適な方法と、多様な協力関係を模索し続けていきたいと考えています。

  大変な状況の中、また、ご多忙中にも関わらず、十全な対策を含めて受け入れをして頂いた堂﨑農園さん、河内ワインさん、藤井農園さんには改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

→ 河内ワインのHP  http://www.kawachi-wine.co.jp/

→ 藤井農園のHP    https://www.fujii-nouen.com/

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