人文社会学部 社会学科 -最新情報-

「入門歴史学」ってどんな科目?

 社会学科には人間・社会、心理、地域・メディア、歴史の4コースがありますが、歴史コースの一つ「入門歴史学」を担当する四方先生に詳しく聞いてみました。

 皆さんこんにちは。私は社会学科で主に歴史コースの科目を担当している四方俊祐です。私が現在担当している科目は、西洋史、英国史、米国史、入門歴史学や歴史学特論などの歴史に関する授業です。

 高校生の皆さんにとって、これまで学んできた歴史とは、「教科書を読んで出来事を『暗記』する」科目であったかもしれません。しかし、大学で学ぶ歴史「学」は、高校までの「覚える」教科とは全く異なります。

 例えば、皆さんが現在生きているこの世の中の制度や仕組みについて、考えたことがあるでしょうか。当たり前だと思っている事柄は、実のところ様々な歴史を持っていることが分かります。例えば、モノを計測する単位であるメートル法(メートル・グラムなど)を現在は当たり前に使用していますが、近代以前は尺貫法を使用していました。あるいは、皆さんが学んでいる学校制度についてはどうでしょうか。いたるところに西洋の規範や価値観を見ることができます。

 そのような「当たり前だ」と思われている現象や事柄、考え方がなぜ波及したのか、なぜ我々は受容したのかについて、入門歴史学の授業で皆さんに学んでもらいます。さらには、歴史学とはどのような学問であるのか、なぜ歴史を学ぶ必要があるのか、など少し抽象的で哲学的な問いについても、皆さんとともに議論しながら授業を進めていきます。歴史学は社会を生き抜く大切な知恵であると私は思います。

 私が研究している専門分野は、冷戦初期のアメリカ合衆国のアジア外交を中心に、文化交流や移民についての研究です。現在関心を持っているテーマは、1950年代の台湾や香港の経済発展の過程に「華僑」と言われる世界中に分散にしている中国系住民がいかにかかわっているのか、また米ソ冷戦の中でアメリカ合衆国がアジア全体で展開していた文化交流において、いかに華僑をアメリカの同盟国である台湾に引き付ける政策を行っていたのか、についてです。まだまだ研究途中ですが、歴史研究では「文献史料」などが不可欠です。私の研究分野では、各国政府の政策文書を中心とした、政治外交史の関連する史料が収蔵されているアメリカ合衆国やイギリスの国立公文書館や台湾、香港の史料館などに赴いて、膨大な情報群のなかから、自分の研究に必要な史料を集めなければなりません。まさに大海に小舟で漕ぎ出すような心持です。

 しかしながら海外での資料収集は、思わぬ史料の発見や、その場に居合わせた大学研究者の人たちと時間を忘れて議論でき、大変楽しいひと時でもあります。現在はコロナの結果、海外渡航は容易ではないですが、終息後には再び海外の史料館に行って資料収集してみたいですね。

アメリカ国立公文書館2号館(通称Archives 2)は近代的な建築物で非常に美しいです。

 

アメリカ国立公文書館の周りには自然がいっぱいです。特に秋の紅葉の季節は美しく、調査につかれた休憩の一時には、心癒されます。四季の移り変わりの美しさは日本だけではありません。

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