人文社会学部 社会学科 -最新情報-

「文化研究概論」ってどんな科目?

社会学科には人間・社会心理地域・メディア歴史の4コースがありますが、地域・メディアコースの1年次必修科目が「文化研究概論」です。どんな内容なのか、担当する太田先生に聞いてみました。

 

「文化研究概論」って、なんだか難しそうな科目名ですが、どんな科目なんですか?

太田 地域・メディアコースを学んでいく基礎的素養として、前半はメディアや文化のことを読み解く視点について、そして後半では戦後日本社会の変化を、若者文化を通してみていきます。難しそうな科目名ですが、皆さんのような若者の文化を結構取り上げるんですよ。ちなみに、あなたが今ハマっている文化は何ですか?

—う~ん……今ハマってるのは、『呪術廻戦』かな。

太田 マンガがとても売れているみたいですし、アニメも話題になりましたね。そういったオタク的な文化も実は戦後にルーツがあり、「文化研究概論」で取り上げます。

—面白そう!

太田 面白いかどうかは受講する学生によりますが、取り上げる若者文化のほとんどは、皆さんが生まれるかなり前のものばかりで、そんな昔のことに興味を持っている学生は少ないかもしれません。

そうなんですか…

太田 ちなみに、「みゆき族」って知っていますか?

いいえ。女の子の暴走族みたいですね。

太田 1964年の東京オリンピックの頃ですから、知らないのも当然。昔の若者文化には「族」という言葉をつけて呼ぶことが多かったんですが、「みゆき族」は、若者たちが集まった通りの名前にちなんでいるんです。

思っていたのと全然違いました…

太田 『Always三丁目の夕日』という映画は観たことありますか?

—あります!ネットで。今レトロブームですし、面白かったです。

太田 その三作目(画像①)は1964年が舞台で、「みゆき族」も出てくるんですよ。

へぇ、知らなかったです。

太田 当時、急速に戦後復興を遂げ、日本は高度経済成長期にありました。映画の中でも、カラーテレビやクーラー、そして自家用車を持つことが、当時の夢であると描かれます。

—憶えています。けど、コロナ禍の今からすると、なんかうらやましいです……

太田 そうですね。経済的にある程度豊かでないと、自由な生き方もままなりませんよね。そういう意味では高度経済成長を背景に、東京銀座のみゆき通りにおしゃれをして集まり、いわゆるナンパするようになった若者たちが「みゆき族」なんです。

—今の「パリピ」や「陽キャ」みたい。

太田 う~ん、社会背景も変化しているのでまるっきり同じというわけじゃないですよ。今でこそ男性がおしゃれをすることは当たり前となっていますが、60年代ではそうではありません。ナンパって漢字で「軟派」と書きますが、「硬派」の対義語で軟弱な奴らという意味なんです。だから、「みゆき族」は、たとえば「男は硬派であるべき」といったような当時の親世代の社会通念に抵抗して、自由な生き方を目指していたと解釈できるんです。

—確かに、「パリピ」や「陽キャ」は何かに抵抗している感じじゃありませんね。

太田 「似ているようで違う」「違うようで似ている」ところに注目して欲しいですね。ついつい、自分の興味のある対象ばかりに注目してしまいがちですが、社会学的なものの見方って、そうではなく、ミクロとマクロをつなぐような構造的な見方だと思うんです。

—ちょっとよくわかりません……

太田 言い換えれば、「いま」を考えるためにこれまでの歴史を、「ここ」を考えるために異なる世界を知り、両者の相違や変容を通して比較するような考え方です。地域・メディアコースを学んでいくための考え方とも言えますね。

—なるほど。なんとなくわかりました。そのために「文化研究概論」って必修科目なんですね。今日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

 

画像①『ALWAYS 三丁目の夕日 ’64』山崎貴監督,2012年,東宝

 

※この記事は「インタビュー風」に太田が作成したものです

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