日本文化ゼミの実地研修
2022年12月22日
日本文化ゼミでは、12月半ばに、當麻寺(たいまでら)での実地研修を行いました。今年度の日本文化ゼミのテーマは「ジェンダーの日本史」です。冬学期は「女性と仏教」についても学びましたので、実地研修の場として當麻寺を参拝することとしました。この日は、残念ながら、當麻寺に到着する頃から冷たい雨が降り始めました。
最初に、當麻寺中之坊様にて「當麻曼荼羅絵解き」をお聞かせいただきました。絵解きでは、中将姫が一千巻の写経を完成された功徳によって、夕日の沈む西の空に極楽浄土の光景をご覧になり、その光景を織物として表現したものが「當麻曼荼羅」中央部にあたると語られます。
引き続き、その極楽浄土の安らぎを生きながらにして体感し、當麻曼荼羅に描かれる仏や當麻寺ゆかりの仏と縁を結ぶべくとご指導を受けながら、仏さまの姿を筆で描き写す「写仏」や「写経」の修行を行いました。
1時間ほども集中して取り組みましたが、写仏のほうはなかなか完成しません。午後の予定もありますので、いったん中断して、精進料理のお昼をいただきました。
昼食後は、境内を拝観します。曼荼羅堂から、金堂、講堂と境内をご案内いただき、當麻曼荼羅や堂内の諸仏、建造物としてのお堂などについて詳しく説明をしていただきました。事前に、當麻曼荼羅や、當麻寺の諸仏については学習してきたのですが、そうした知識が、実際に當麻寺を拝観し、本物に接したことによって、それぞれの学生の中で自分なりの「智識」となったことでしょう。
雨が降り続く中、中之坊の境内にもどり、中将姫ゆかりのお堂などを拝観した後、お庭を拝見しました。大和三名園の一つとされる、東塔を借景とした素晴らしいお庭でした。
ここで、ゼミ生たちは自由行動に移ります。この後、霊宝館の見学、境内の自由見学、写仏を仕上げること、それぞれ、自分の優先事項に応じて、この後の時間を有効に使うことになりました。写仏が未完成のままだった学生は、その後、さらに1時間ほどをかけて、写仏を仕上げました。
普段、通学の際に使用している近鉄南大阪線の藤井寺駅や古市駅から、ほんの少し足を延ばせば、このように素晴らしい仏像や庭園との出会いや、自然の中にたたずむ心落ちつく境内を散策する時間を楽しむことができるのです。
「今度は、練供養法会の日に来たい」とか、「お花の季節にもう一度来たい」など、それぞれに余韻を楽しみながら帰途につきました。
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