夏の博物館実習[前編]



日本学科と社会学科で学芸員課程を履修する学生は、3年生後半から4年生の1年半にわたり博物館実習に参加します。その多くは、四天王寺宝物館での実習ですが、4年生の夏休みには、四天王寺において3日間の集中実習が実施されます。

8月の末とはいえ、まだまだ暑さの厳しい時期ですので、この夏の実習は宝物館ではなく四天王寺の研修施設をお借りして、冷房の効いた快適な環境での実習となりました。

さて、3日間の集中実習のテーマは、「じっくりと資料と向き合おう」です。大学内での実習では、人数も多く、かつ時間にも追われて博物館資料取り扱い技術の基本を理解するだけですが、博物館での実習、特に、この夏の博物館集中習では、受講者は少人数グループに分かれ、博物館資料の取扱いについて、しっかりと学ぶことを目的としています。少人数の実習ですと、質問もしやすく、わからないことがあれば、担当の学芸員の先生に、すぐ確認できます。

1日目には、絵巻や掛け軸、そして古典籍についての知識を復習しながら、資料の実物に接してその取扱いの実際を実習します。

 

 

 

古典籍についても、資料の形態や取り扱いについて学ぶだけでなく、崩し字を翻刻する作業などにも取り組みつつ、崩し字で記された資料を読み解くことで、どのようなことを知ることができるのかを考えました。

 

 

うーん、崩し字を読むのは難しい……と頭を抱える実習生たち。

2日目は、埋蔵文化財、特に発掘された瓦からどのようなことがわかることについて学び、実際に瓦の拓本を作成しました。さらに、仏像調査実習も行いました。

 

仏像などの仏教美術作品は、宝物館での展示実習や撤収実習で身近に接しているので親しみはありますが、今まで、こまかく法量(寸法)を取りながら調書を作成するという実習はできていなかったので、実習生たちは、かなり苦労していたようです

 

2日目終了時点で、資料調査が連続する緊張と、調書作成などの集中力を必要とする作業に追われ、ずいぶんとお疲れの様子です。

が、最後の一山となる3日目がまだ残っています。その様子は、後編でお伝えしましょう。

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