日本学科のさまざまな学びかた[前編]
2021年12月1日
11月はじめの大学祭が終了した後から、四天王寺大学では、対面授業が復活しました。もちろん、十分に距離を保っての受講体制が整えられています。今の日本学科の授業風景から、いろいろな授業のあり方、さまざまな学びのあり方をご紹介しましょう。
一般的な講義科目だけでなく、いろいろな授業形態の科目でも対面授業ならでの授業形態が復活しています。その様子をご紹介しましょう。
こちらは、「日本学基礎演習Ⅱ」、プレゼミとも呼ばれる基礎演習の様子です。日本学科では、3年生から始まるゼミを選ぶ参考とするために、2年生の冬学期にゼミ担当教員が、7回を1クールとした授業を2セット展開し、学生は、興味のあるクラスを2つ選択して、二人の先生のゼミの雰囲気を体験できる科目を設けています。それが、「日本学基礎演習Ⅱ」ですが、このクラスのテーマは「花火」。花火の歴史だけでなく、コロナ禍のもと、花火大会がどのようになったのか、以前の災害発生時には「花火大会」はどのように扱われていたのかなどを調べることを通じて、「現代社会と花火」についても学びます。
この日は、本来なら受講生の一人ひとりが、クラス全員の前でのプレゼンをする予定でしたが、久しぶりの対面授業なので、それぞれがプレゼン用に作成してきたパワーポイントを、少人数グループに分かれて講評しあうピア評価を行いました。さらに、コース終了レポートのアウトラインを紹介しあって、それぞれのレポート構成についてもピア評価を行う活動をしました。
この日の受講者コメントからは、「同じ花火というテーマでパワポを作成しているので、他の人の工夫がよくわかり勉強になった」、「何について伝えたいのか、自分の着目点を明確にすることが必要だと理解した」、「何に注目するか、着眼点によって、よく似たテーマでレポートを作成しているのに、かなり異なった内容になることに驚いた」など、ピア活動の成果が感じられました。
日本学科では、いろいろな分野(日本文化、日本語学、日本文学、日本史、日本の観光など)ごとに設置されている「講読」という科目も開講されています。講読とは、「書物を読んで、その意味を明らかにすること。また、読んだ書物を論じたり講義したりすること」(『日本国語大辞典』)で、こちらは「講読Ⅰ(日本語学)」の授業風景です。
指定された一冊の書籍(日本語学分野)の内容を一学期という時間をかけてじっくり読み込んでいきます。そして、この授業では、受講者全員が、指定書籍のどこかの箇所を受け持つ「担当者」となり、その箇所については責任をもって、まとめ文書を作成し、授業中に解説を行い、他の受講者からの質問に答えるということも課されています。受講生は事前に予習して疑問点を整理したうえで授業に臨むので、授業の中で質問がどんどん出されます。こちらも、プレゼミ的に大学ならではの学修を展開しています。担当者は授業進行において、できる限り自力で対応し、回答に困った時にのみ教員がサポートする仕組みになっています。
授業後に担当者に感想を聞いてみると「レジュメ(まとめ文書)作りが大変だった」「長時間の発表(ほぼ1コマ)で緊張した」「思ったよりもたくさん質問をしてもらえて嬉しかった」などなど。学修において、受身でなく、自ら学ぶことを実践する場となっています。
もちろん、学びの場は、教室の外でも展開します。次回は、そうした学外での学び、「実地研修」についてご紹介します。
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