よりよいコミュニケーションができる自分をめざして――「パフォーマンス実践演習」[後編]



8月27日、28日、30日、31日の4日間にわたり行われた集中講義「パフォーマンス実践演習」の後半についてのご報告です。

前半はこちら↓

よりよいコミュニケーションができる自分をめざして――「パフォーマンス実践演習」[前編]

休日の日曜日を挟んだ後の第3日目は、身体表現2コマ、口頭表現1コマ、創作パフォーマンスのためのグループワーク1コマを行いました。

身体表現の授業では、まず、1対1の状況をさまざまに想像し、話しかける役から相手役に働きかけ、双方でその状況にふさわしいコミュニケーションを行うという課題に取り組みました。話しかける方が言いたいことさえ言えばそれで済むわけでなく、相手の方も、状況を考慮しつつ、その申し出や働きかけに適切なリアクションで対応しなければ、コミュニケーションは成立しません。対面授業ができずオンライン上でのやり取りですが、受講生たちは慣れてくると、ユニークな発想を打ち出したり、色々な状況に機敏に対応したりして、どちらの役になっても即時に的確なコミュニケーションが構築できるようになっていました。次に、2日目の最後に行った、グループパフォーマンス創作途中の発表について振り返ったのち、創作パフォーマンスにおける役柄としての自己紹介プレゼンテーションを一人ずつ行いました。各人の想像力の賜物か、すでにかなりの肉付けができていましたが、受講者どうしの質疑応答を通して、自分一人では考えていなかった事柄が引き出され、キャラクターのさらなる掘り下げにつながったようでした。

口頭表現では、発話に感情を込めるエクササイズの後、課題発表として、2日目のインタビューに基づく他者紹介プレゼンテーションを行いました。インタビューで引き出したことをいかに形(文表現)にすればよいか、そしてそれをどのように伝えれば効果的なのか。それぞれの模索の結果が披露されました。講師の先生からの講評、改善点の指摘をぜひ今後に活かしてもらいたいものです。

本格的なグループワークもこの日で2コマ目となりました。身体表現の授業を通しての、それぞれのキャラクターの掘り下げ、それにグループメンバー相互の理解を経て、パフォーマンス創作はかなり進展したのではないでしょうか?

そうしてあっという間に最終日の第4日目となりました。1コマ目はヴォイストレーニング。発語に関するレクチャーの後、実践エクササイズに挑みました。その過程では、その場=それぞれの受講の場(自宅の自室など)で床に寝転び、発声練習をしながら起き上がるといった身体エクササイズをこなしたりもしました。最後に、講師の先生から「表現する上で大切なものは何か」「表現のために必要な要素とは?自分が習得したい表現方法とは?」といった問いかけがありました。受講生たちは自分を見つめ直し、また他の受講生の意見にも触れ、表現することへの認識を深めたことと思います。

その後、グループごとの創作パフォーマンスのリハーサルと講師・教員の評を経て、いよいよ本番発表に至りました。

新型コロナウイルス感染防止のためにオンライン授業に移行するにあたって、例年行っていたような内容をどこまで行えるのか、どれだけ授業効果が得られるのかが、講師の先生および担当教員の懸念でした。同じ場にいれば当たり前のように行えても、オンラインでは再現が難しい活動は多々あります。特に、オンライン画面上での最終成果発表は一番の懸念でした。しかしその懸念は、それぞれのグループの発表を鑑賞して霧消しました。WEB会議システム上の、参加者それぞれの顔を映し出す小さな画面、オンライン越しのやり取りでありながら、むしろその制約を生かしたパフォーマンスがそれぞれに発揮され、柔軟な発想や工夫の妙の数々に感心させられました

成果発表が成功してめでたくおしまい……ではなく、最後のコマで4日間の振り返りを行い、創作パフォーマンスのグループとは別のグループでそれぞれの経験を語り、「コミュニケーションとは」についてそれぞれの意見を出し合い、全体に向けて話し合いの成果を報告して共有しました。更に各人のポートフォリオの完成と提出が最後の課題です。

かくして4日間の集中講義は終わりました。猛暑の中ご出講いただき、オンラインへの急な変更にもご対応くださり貴重な授業を行ってくださいました講師の先生方に心よりお礼申し上げます。そして4日間の朝から夕方までの連続授業を、一人も脱落することなく完走した受講生のみなさん、お疲れさまでした。ですがまだ今後も、今回得たものを確実に自分の血肉に変え、いかに活用していけるかという、皆さんの成長の道は続きます。講師・教員一同、期待しています。

 

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