新型コロナウイルス感染症と博物館実習(後編)



四天王寺大学人文社会学部の日本学科と社会学科では、所定の科目を履修することで卒業時に学芸員資格を取得することができます。以下では、その資格取得に不可欠な博物館実習の様子の続きをご紹介します。(前編はこちら

こちらは、巻子や掛け軸などの資料の取り扱い技術や調査方法を学ぶ実習風景です。巻子や掛け軸の取り扱い方法は学内実習でも学んでいますが、前回の実習から少し時間がたっているためか、なかなかスムーズに手が動きません。以前に学んだことを思い出しながら、集中実習では、これらの資料の調査方法や調書の作成について学び、写真撮影の技術についても教えていただきました。

  

  

こちらは、考古学領域の講義と実習風景です。講義では、発掘調査の実際例を踏まえて、埋蔵文化財と文献資料を突き合わせて考察することで、どのように歴史を解明していくのかということを学びました。後半は、四天王寺の境内地から出土した瓦のレプリカを用いての拓本実習です。

 

  

初めての拓本作成でかつ先生との距離も保つ必要があり、初めて取り組む慣れない作業に少し戸惑いつつも、それぞれにきれいな拓本を取ることができました

3日目は、座学でした。特に、午後は、この冬学期に学内展示を予定しています「扇面法華経冊子」についての最新の調査結果などについて、四天王寺の学芸員の先生からご説明いただき、その後、実習生たちは、オンライングループワークで、それぞれが担当する扇面をその画像を用いて考察しながら、どのような展示活動につなげることができるのかを考えました。

冬学期にはこれまでの学びとは大きく異なる、自ら発信するという「学内展示」の学びに取り組まなければなりません。

昨年度の冬学期の学内実習でも、新型コロナウイルス感染症のために全員が集まっての作業を実施することがなかなかむずかしく、学内展示を作り上げるのに大変苦労しました。今年の状況も、まだまだ不安要素が多くありますが、学生たちが在学中に積み上げてきた学芸員養成課程の学びを卒業前に形にできるように、指導教員もしっかりと支えていきます。冬学期末の学内展示をどうぞお楽しみに

また、総本山四天王寺の学芸員の先生方には、新型コロナウイルス感染症拡大中という厳しい状況にもかかわらず、十分な感染防止への配慮をいただきながら、通常時に同じ実習内容のご指導をいただきました。学芸員養成課程に必要な博物館での実習が予定通りにできない大学が多い中で、多大なご協力をいただき、予定通りに実習を実施していただきましたことに篤く御礼申し上げます

【関連リンク】

→「新型コロナウイルスと博物館実習(前編)」はこちら

→日本学科の紹介はコチラ

一覧に戻る 学科に戻る