新型コロナウイルス感染症と博物館実習(前編)
2021年8月30日
四天王寺大学人文社会学部の日本学科と社会学科では、所定の科目を履修することで、卒業時に学芸員資格を取得することができます。
その学芸員資格を取得するためには、「博物館実習」に参加することが不可欠です。新型コロナウイルス感染症がなかなか収束しない中で4年生になった学芸員資格取得希望者たちは、卒業までに必要な実習時間を確保するために、感染症対策を万全に施したうえで夏休みの博物館実習に参加しました。
四天王寺大学では博物館実習を、主に四天王寺宝物館にて実施しています。が、宝物館の中は、換気という面で心配があります。そこで、昨年度に引き続き、本年度も、四天王寺本坊内の広いお部屋をお借りして実習をさせていただきました。6人以下という少人数グループに分かれての実習ですので、大変贅沢に、十分な距離を保ちつつ空間を使わせていただきました。
夏休みの集中実習は、それまでの大学内での実習や、四天王寺宝物館での実習などをふまえて、実地で調査をして調書を取る、梱包実習を行う、拓本を取るなどの実践的な実習を仏像・巻物と掛け軸・考古資料のそれぞれの領域に分かれて行い、さらには、四天王寺に関わる文化財に関する講義とこれらの資料を活用した展示計画作成の準備という座学などを含みます。今年度は、感染拡大防止のために、座学の部分は、実習3日目にまとめてZoomを用いた遠隔授業とし、対面での指導が不可欠な実技実習のみを、2日間にわたり対面で実施しました。
こちらは仏像分野の実習風景です。仏像調査の技術を実践的に学び、次に、梱包技術を習得します。レプリカの仏像だけでなく、「本物」も使用させていただく貴重な実習になりました。
マスクにフェイスシールドで視野も制限されるうえに、作業時の声掛けも制限されますし、うっかりするとフェイスシールドが仏像に当たりそうでなかなか大変な実習でしたが、受講者は真剣に取り組んでいました。
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