日本文化ゼミ 京都での日本文化研修



日本学科の3年生と4年生は、必ずゼミに所属します。ゼミは、日本語・日本文学コース、歴史・文化・観光コース、現代文化コースのそれぞれの領域で開講されていますが、そのうちのひとつ、「日本文化」ゼミでは、年に2回、実地研修を行います

この日は、冬学期の実地研修を京都で行いました。

「日本文化」ゼミでは、今年、年中行事と儀礼食について学んでいます。その儀礼食にも関わってくる和菓子ですが、学生にとっては、あまり身近なものとはいえません。

ですので、日常生活の場ではあまり接することのない和菓子がどのように作られ、どのような技術が伝承されているのかについて体験して学ぶ機会を設けました。

 

特に、冬学期は、ゼミに中国浙江工商大学からの大学院留学生も受け入れていますので、留学生たちにとっても、日本文化を実践的に学べる場となりました。

 

季節の自然や行事に合わせたテーマにもとづき、季節感をしっかりと伝える和菓子の世界。様々な素材や技法により、小さなお菓子には、さまざまな世界観が示され、そこから無限の空間が拡がっていく仕組みがあります。

とはいえ、高度な技術を習得しているわけでもない学生たちには、シンプルな技法で作る基本的なお菓子しか作ることができませんし、そのようなお菓子の課題であっても、お手本のように仕上げることは簡単なことではありません。

 

 

球状にまとめられた練り切りと餡の玉、それを掌や手の指だけを使って、あとは、へら一本で、柿の実と桔梗の花に仕上げるのですが・・・

ご指導いただきました和菓子職人の先生からは、こうすればいいのです、と丁寧にお教えいただくのですが、なかなかご指導のようにはいきません。

 

なんとか、二つの課題のお菓子を仕上げて、お手本と比較・・・

この後、ご指導いただいた先生に、和菓子職人の技を見せていただきました。学生からは、思わず「すごい」という声が。

「和菓子がどのように作られるのかを知ることで、お店で売られているお菓子を見る眼も、いままでとは違ってくるでしょう。季節ごとの違いにも、これからは、注目してください」との職人さんの言葉に、うなずく学生たち。

こうして、知識を拡げ、実際に経験することで、「物の見え方」が違ってくるということを体験することも、大学の学びの一つの目的です。

さて、午後の見学は、日本文化ゼミ実地研修のテーマのひとつである「日本庭園を知る」です。

日本文化ゼミでは、ここ数年、実地研修先では、必ず日本庭園を見学し、ゼミ在学中の2年間に、出来るだけ多くの日本庭園に接することによって、日本庭園の構成のされ方や鑑賞のポイントを体験的に学んでいます。

この冬の実地研修では、妙心寺塔頭の退蔵院のお庭と、法金剛院のお庭を拝観しました。

 

法金剛院では、阿弥陀如来像をはじめとする仏像も拝観させていただき、好天のもと、少し暑さも感じながらも、色づき始めた木々に飾られたお庭の風情を楽しみ、日本庭園の魅力について考える時間をすごしました。

 

今回の実地研修でも、「知ることで、自分の世界を広げる」ことを楽しめましたか?

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