授戒会のあと、日本学科で四天王寺をぐるり 後編



この記事は、前編(記事はこちら)の続きになります。

さて、ツアーの後半は、中之門(仁王門)を確認してから、中心伽藍に進みます。中心伽藍は「四天王寺式伽藍配置」として有名です。天竺まで通じているという「龍の井戸」を見て、講堂、金堂に入ったあと、仏舎利(お釈迦さまの遺骨)の安置される五重の塔に上ります。

最後は、西門周辺となります。西門は極楽門ともいわれ、西方浄土への入口だとされています。西門の周辺から海に沈む太陽を拝む(日想観)という修行がこの場で行われていたのです。

現在の四天王寺は海からはずいぶんと離れていますが、古代には難波津(なにわづ)に面していました。中国大陸や朝鮮半島からの使者や渡来人は、まず難波津という港に到着し、四天王寺を眺めながら、四天王寺大学の近くを通る竹之内街道を通って飛鳥の都へ向かったのです。

そして、四天王寺境内の入口にあたる石の大鳥居を見学してツアーも終わりになります。鳥居の横には、ぽんぽん石と呼ばれる不思議な石があり、耳を寄せるとご先祖様の声が聞こえるといいます。耳を寄せていた学生もいましたが、期待した声は聞こえましたか。

これで、長時間にわたった四天王寺ツアーもこれで終了です。参加した新入生たちは、四天王寺を知り、親しみを持つことができたでしょうか。今年の参加者の中から、来年の案内役が登場してほしいと思います。

案内役の2年生のみなさん、本当にご苦労様でした。下見と準備をきちんとおこない、当日も見事に仕切っていました。分かっているつもりのことでも、あらためて人に説明するのは難しいと痛感したかも知れません。でも計画・準備・実演と、よい経験になり、「伝える力」がついたと実感できたのはないでしょうか。

また、これが「てんしばプロジェクト」などに展開すれば、さらにいろいろな経験を通して、視野も広がり力をつけることができるかもしれません。日本学科の四天王寺ツアーが、学生さんを高め、社会にはばたくきっかけになればと思います。

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