公開講座 (第4回)~京町家に学ぶ、暮らしの温故知新~
2019年1月15日
平成30年度短期大学部 公開講座 温故知新 ~暮らしのヒントを見つけましょう~
本学では生涯学習事業の一環として公開講座を開いています。
本年度、専攻が各分野の古くて新しい知識に注目し、現代の私たちの生活に活かすヒントを4回シリーズで開催します。
第4回は、ライフデザイン専攻インテリア担当の富家大器先生による
~京町家に学ぶ、暮らしの温故知新~ です。
京都の重要な景観を形成しつつも、年々失われつつある京町家。
近年、お洒落なカフェや宿泊施設等に改装されたりと再び脚光を浴びていますが、現役住宅として京町家の代表的存在である「吉田家住宅(H26年に国指定有形登録文化財指定)」をテーマに古くて新しい日本の住文化を取り上げました。
鰻の寝床といわれる、狭小な間口に比べて奥行きのある特有の敷地条件をうまく利用し、狭いながらも二つの庭をあえて作ることで、採光や風通しを工夫。そして、昔懐かしい縁側の存在。一見無駄なように見える空間ですが、こういった組合せで、たとえばうだるような夏の暑い時期でも、体感的にもほとんどクーラーがいらないと思えるほど。
見た目にも光を通す自然素材の使用などの相乗効果もあってさらに涼しさアップです。
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最近の主流「高気密高断熱」といった考え方とは逆転の発想ですが、なつかしさとともに、どこか心の落ち着きを取り戻ことができるような、先人の工夫。
古いからと言って切り捨てるのではなく、空間のレイアウトや素材の選び方など、私たちが京町家から学ぶことのできるヒントはこのように実はたくさんあるのです。
~受講生の方々から、このような感想をいただきました~
・京都の町家の良さ、季節(特に夏)の工夫など興味深かった。四季折々を楽しむ暮らし姿が豊かでほっこりしました。歴史を固定するものではなく、過去と現在の対話。古いものに新しいものを加えていく大切さを学ぶことが出来ました。
・京都の伝統文化や歴史に関して、色々聞けましたが、「特別京都のみだけでなく、どこの土地でも応用できる」というのが興味深かったです。
・京町家のすばらしさをスライド写真を通して具体的に理解できました。
・今夏、京都に出掛けたばかり。自然と共に生きる日本人の知恵は素晴らしいと思いました。私自身はマンション住まいですが、近所に大きな屋敷がありますし、竹之内街道など、地元にも改めて目を向けてみようと思います。
・京都の伝統から新しい文化になるという講義でしたが、あちらこちらの地方でも昔から伝統を守りつつ、今につなげようとしている動きはあるように思いました。
・古い所の良いものを残し、新しい良いものとを融合させて町家や民家を残していって欲しいと思います。

