天野ゼミ 活動報告:産学連携による地域の新名物「河内かすおでん」の商品開発



四天王寺大学のある羽曳野・藤井寺では2019年に百舌鳥・古市古墳群がユネスコ世界文化遺産に登録されました。しかし、観光地としてのインフラ整備、知名度に課題がある中、コロナ禍となってしまったことにより、観光客増加の機会を逸しているように思えます。そこで、特に若者たちに、地域に来てもらうきっかけをつくり、古墳や歴史の魅力を発見してもらうため、天野ゼミではご当地グルメに着目しました。

ご当地グルメは、実際にお店で食べてもらうとともに、お土産として購入して持ち帰って、友人などに配ってもらったり、羽曳野市・藤井寺市のふるさと納税の返礼品のひとつに加えてもらうなどにより、露出度を高くして、地域の知名度やブランド力を高める効果があると考えました。さらに、地元に点在して頑張っている個人店や老舗をPRし、地域企業とのコラボレーションも推進したいと思いました。

天野ゼミは、四天王寺大学短期大学部の谷口ゼミとともに夏学期の終了時、松原市に本社のある「幸南食糧株式会社(おくさま印)」の食品研究センターを訪問しました。幸南食糧株式会社は、農業の六次産業化や地域のオリジナル食品の企画製造で実績があります。同社のレトルト調理・パッケージ生産システムを活かし、何か新しい製品ができないか、検討することになりました。

新製品を検討するにあたり、天野ゼミでは南河内の歴史、観光、産業、文化、特産物などについて調査を行いました。そして、「生産可能な商品、売れる商品、自分達が食べたいものは何か、コンビニの人気商品は何か、その場で食べるだけでなく、持ち帰り・保存・発送が可能な商品は何か」という点で、幸南食糧株式会社・橋本太郎所長を交え、半年間かけて検討と調査を行いました。

お菓子から麺類、ご飯物やスープ、ドリンクまで、様々な案が出てくる中で、羽曳野名物である、「油かす」(牛の小腸=ホルモンから石鹸の原料となる牛油=ヘットをとった残渣)に注目し、「ご当地おでん」の方向を定めました。理由としては、皆が大好きなおでんが、コロナなどの影響でコンビニでの発売が中止になっていること、既にご当地グルメとなっている「かすうどん」については持ち帰りや保存が困難であるが、おでんはパック化で保存ができ、レンジで温めるだけで食べられること、具やスープのバリエーションで、羽曳野らしい、世界遺産をイメージさせるローカル色を出せるなどです。

▲道明寺天神通商店街の老舗「味大かまぼこ」さんによる古墳型さつま揚げ・古墳型こんにゃく

「おでんの出汁」については「カレー・油かす味」と「ブイヨン・油かす味」の2種類とし、具については地域で創業50年の道明寺天神通商店街の老舗「味大かまぼこ」さんに、古墳型さつま揚げ、古墳型こんにゃくの作成を依頼しました。そして、2種類のおでんを試作、大学の学生食堂にて、居合わせた学生たちにアンケートを行いました。油かすの濃厚な旨味がしみこんだおでんは大好評で、女子はブイヨン・油かす味、男子はカレー・油かす味を好む傾向にあることがわかりました。また、試作した特製の古墳型さつま揚げ、こんにゃくは、少し大きすぎるという意見も出ました。

今後、春頃の商品化と発売を目指し、パッケージデザイン、ネーミング、具材、販売価格などの検討や、小型の古墳の金型製作、そのためのクラウドファンディングなどの資金調達も視野に入れ、市販プロトタイプの完成、企画検討、試験販売を進めていきます。

 

ぷりりんとした食感と濃厚な味わいの「河内かすおでん」発売まで、あと一歩。
ご期待ください!

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