「大阪企業家ミュージアム」で企業家精神を学ぶ



 経営学部・企業経営専攻3年生の梁ゼミ・天野ゼミは、合同で恒例の「大阪企業家ミュージアム」を訪問しました。2001年に設立され、大阪商工会議所によって運営される同館は、関西圏をベースとして活躍した企業家105名に関する幅広い資料やパネル、貴重な商品が展示されています。

 訪問の目的は、ずばり「企業家精神」について学ぶことです。
 「企業家精神」7つのキーワードとは、

「1.目標や目的を持つ『志』、2.社会に対する柔軟性『変化』、3.長期的な視野を持つ『先見性』、4.チャレンジャー精神である『挑戦』、5.よい物を作って必ず売るための『創意』工夫、6.自分の考えを持って自立『自助』、7.あきらめない精神『意志』を持つ」です。

 以上の7つのキーワードについて、まずはスタッフより講義を受けました。

 講義の後、「大阪の企業家精神のルーツ」として、明治維新の時期に大阪商工会議所の初代会頭となり様々な事業の創出に尽力した五代友厚からはじまり、現代につながる大阪の企業家精神についてビジュアル教材で学びました。全国各地から多くの企業家がビジネスチャンスを求めて大阪に集まり、様々な新事業や起業家が生み出された一連の経緯がわかりやすく整理されていて、楽しみながらビジネスカルチャーの歴史を学ぶことができました。

 一通りの説明を受けたのち、ボランティアスタッフの方や教員の解説の下、著名企業家の事業や経営等について、起業にまつわる様々なエピソードや名言等も交えたユニークな説明を受けながら、館内を回り展示を見学しました。

 ゼミ生は展示対象となっている105人の企業家から、興味をもった1人の企業家を選び、レポートを提出することが今回の課題となります。レポートの主な内容は、企業家の生い立ち、独自性・イノベーション・経営哲学について関心を持った理由や尊敬する点等です。

 以下、ゼミ生たちが実際のレポートで採り上げた企業、企業家を紹介します。

① 南海電鉄(松本重太郎、外山脩造、田中市兵衛、藤田伝三郎)

② 大丸松坂屋百貨店(下村彦右衛門)

③ 野村證券(野村徳七)

④ 吉本興業(吉本せい)

⑤ 丸紅(伊藤忠兵衛、市川忍)

⑥ 近畿日本鉄道(金森又一郎)

⑦ 大日本除虫菊(金鳥)(上山英一郎)

⑧ シャープ(早川徳次)

⑨ パナソニック(松下幸之助)

⑩ 三菱UFJ銀行(岩下清周)

⑪ クボタ(久保田権四郎)

⑫ 日清食品(安藤百福)

⑬ 江崎グリコ(江崎利一)

⑭ コニカミノルタ(田嶋一雄)

⑮ サクラクレパス(西村俊一)

⑯ 象印マホービン(市川銀三郎)

⑰ コクヨ(黒田善太郎)

⑱ MIZUNO(水野利八)

 選択理由は、「いつも乗っている電車」、「好きなブランドを扱っているお店」、「家にある製品」、「お笑いが好き」、「野球が好き」などの身近なところから、「将来起業を考えており起業家精神に刺激を受けた」など、経営哲学への共感まで十人十色でしたが、レポート作成を通して、企業経営に対する姿勢や、マーケティング戦略、イノベーションやチャレンジスピリット等を含めて、それぞれに学びと発見があり、将来を考えるきっかけになりました。

 演習の締めは、ミュージアムの向かいにある、大正2年(1913年)の老舗喫茶店「ゼー六」のアイスを食することです。「ゼー六」の由来は、「商人には無用の贅物六つあり。いわく禄、閥、引、学、太刀、身分、これなり」という、なにわの企業家の自由な気風や心意気をあらわした言葉ということで、企業家精神についての訓示に由来し、戦前戦後から変わらぬ爽やかな味でエリアの名物でもあるアイスを皆でいただきました。

 また、企業家ミュージアムでの研究会終了後、合同ゼミでの懇親会が開催されました。ガソリンスタンドを改造しモチーフにしたちょっと変わったお店で、ゼミ生は交流を深めるとともに、企業家の熱い想いに触れ、これから就職活動が始まることなどについて語るよい機会になりました。

 

【関連リンク】

→大阪企業家ミュージアムのサイトはこちら

→ゼー六のサイトはこちら

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