いろんな人がいる いろんな生き方がある -精神障がいのある人と共に歩む『キッチンはな』-



10月22日、精神保健福祉士をめざす学生は、大阪府松原市役所別館1階にあるレストラン『キッチンはな』(社会福祉法人風媒花)の見学に行ってきました。『キッチンはな』は、主に精神障がい者を支援している事業所です。ここで働く障がい者の方々は、フロアでの接客、調理、食器洗いなどを担当しています。
 法人統括の島崎幸子さんと利用者の方から伺ったことや見学内容について、参加学生が報告します。

ピープルファースト
精神障がいのある人は地域から疎外されがちな存在であると感じた。そのことは、精神障がいのある人の経験や出会いの機会を制限することにつながる。社会福祉法人風媒花は、『キッチンはな』の他にも、グループホームや地域活動支援センターなどさまざまな事業を展開しながら、経験や出会いの機会をつくり、地域と関わるための活動が活発に行われている。
大切なことは、障がい者としてではなく、人としての関わりである。(上田 菜央)

地域にとけこむ支援の活動
精神障がいのある人が働いている食堂と聞いていたので、福祉の事業所をイメージしていた。しかし見学させていただくと、豊富なメニューと広いスペースで、普通の食堂と変わりがないことに驚いた。「辛いことや落ち込むこともあるけれど、ここに戻ってきたら、話を聴いてくれる人たちがいて、楽しく過ごせます」という利用者の方の話を聴いて、周囲のサポートや地域との活動が利用者の人に働きやすい環境を作り上げてきていると感じた。(志野 恵里沙)

地域貢献という支援
職員と利用者が、とてもフランクに一緒に働いている。そうすることで互いの信頼関係が育まれていく。その『キッチンはな』での人と人との関係性の構築が、地域でも展開されている。それは、法人による地域貢献につながる。地域貢献とは、地域の人々と精神障がいのある人々がお互いを身近に感じる機会をつくり、それが精神障がいのある人の支援になるという構図である。(園田 桃子)

大切な“居場所”としての機能
利用者の方は同じ障害のある仲間に伝える。「家に引きこもってしまったらダメ。それなら『キッチンはな』に来てほしい」と。家に一人でいるとどうしてもネガティブな思考に陥る。孤独感から症状が悪化したりもするだろう。しかし孤独が人に与える耐え難い状況というものは、わたしたちにもあることではないだろうか。働く場としての機能だけではなく、居場所としての機能を『キッチンはな』は持っている。(福田 真鈴)


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