大学基礎演習Ⅰ「人の世に熱と光を~人権教育の実際~」



5月26日に行われた大学基礎演習Ⅰで、「人の世に熱と光を~人権教育の実際~」と題して、奈良県御所市立掖上小学校の岸本康孝先生に人権講話をして頂きました。部落差別やハンセン病に対する差別などの問題を通して、「無自覚を自覚すること」「自分の中の差別と向き合うこと」「『普通』『あたりまえ』という言葉の意味を考えること」など、貴重なメッセージを学生たちに送って頂きました。

 

学生たちのふりかえりから

  • 今回の講義でたくさんの問いが出てきました。この中で私は、自分の中の「普通」という事柄に改めて怖さを覚えました。私は小学校の時、この「普通」ということに疑問を持っていていました。みんなの「普通」により、いじめや仲間外れが起こっていたからです。私は「普通」による強制がとてもおかしなことだなと思っていました。みんなの言う「普通」ではない人のほうが、私にとっては尊敬できるところが多く、でも「普通」を強制する人にも良い部分や尊敬できるところがあり、なぜ個性として仲良くなれないのか疑問に思っていました。私は「普通」の強制は嫌でしたが、人は人、人には人の「普通」があると考えて、「普通」という言葉を使っていました。でもこの考えも、自分の中での「普通」になっているようで怖くなりました。
     普段使っている言葉でも、誰かを傷つけたり縛ったりする言葉があるとわかり、その時に何がふさわしい言葉なのか考え、発言行動する必要があると考えました。そして、固定した概念があることが原因なのではないかと考え、柔軟に考えられる頭が欲しいと思いました。今は訳が分からなくなっているので、もう少し時間がたってから改めて考えようと思います。
     「見たものが真実に近い」とおっしゃっていましたが、すべてのことを自分の目で見て体験することは不可能に近いので、どうやって入ってくる大量の情報を判断していくのかがとても大切になると思います。そのために、人から聞いたり、また、自分で一度考えてから物事を見るなどしてみようと思いました。本当のことは見えないと思い、分かったつもりのことでも、もう一度考えてみることをして、自分の考えをより良いものにしていこうと考えました。

  • 今回のお話から差別に関する問題は、誰かが言い出した正しくない悪い情報がひとり歩きして関係のない人までもが差別意識を持ってしまうことが一番の原因であると考えました。「真実なのかわからないにも関わらずうわさや偏見によって人の人生を大きく変えてしまう」との岸本先生のお言葉が心に強く残り私は人の意見に流されず自分自身の意見をしっかりと持てる人になりたいと思いました。このような人が増えていけば差別はどんどん少なくなっていくと思います。そして当たり前と思っていることに対して批判的な思考で物事を考えることも人の意見に流されないために大切なことなのかもしれないと考えました。岸本先生のお話は自分の行動を見直すきっかけになり有意義な時間を過ごすことができました。

 

 

 

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