教育学科小学校・幼児保育コース2年次で外部講師を招いた「子どもの成長に関わる企業活動」の授業が行われました。



 四天王寺大学教育学部では1年次に初年次教育科目の「大学基礎演習」を学び、2年次には、教育の在り方や子どもたちへの関わり方について、学校や園での取り組みだけでなく広い視野・視点から学び、考える「教育基礎演習」という科目があります。この科目はテーマごとに3回を1セットとした授業を行います。具体的には、①事前学習、②外部講師による講義、③学習の成果を発表・表現する事後学習の構成で展開しています。

 10月10日(木)に行われた「子どもの成長に関わる企業活動」をテーマとした授業では、KCJ GROUP株式会社キッザニア甲子園事業部の佐野恭子様に講義をしていただきました。同社が掲げる企業理念である、子どもたちの生きる力を育むことができる場の提供として、様々なアクティビティ(職業社会体験)を通して楽しみながら社会のしくみを学ぶことができる「キッザニア」という施設を運営されています。

 講義では、キッザニアのコンセプトとして、エデュケーション(学び)とエンターテインメント(楽しさ)を合わせた「エデュテインメント」を掲げていることや、世界21か国28か所(2019年10月現在)で展開していることをご紹介いただいた後、子どもたちは施設内で一人前の社会人として活動すること、施設スタッフも子どもたちに大人として接することをお話しいただきました。

 具体的には、子どもたちが仕事体験をする場である「パビリオン」では、アクティビティにリアリティを持たせるために、スポンサー企業のコンセプトや思いを取り込んだ仕事内容を提供したり、本格的なユニフォームや設備を使用したりすることをお話しいただきました。また、アクティビティへの報酬で得られる対価として施設内専用通貨「キッゾ」があり、それを銀行に口座を開設して入金したり、自分がしたい体験の費用に使ったり、時にはデパートでの買い物で手持ちのお金が足りなくて欲しい商品が買えなかったりなど、自ら選択したり時には我慢をしたり、常に責任をもって行動することの大切さが学べる仕組みがあることをお話しいただきました。

 また、施設内のスタッフ(スーパーバイザー)の心構えとして、子どもたちが一人の大人として楽しく活動するために言葉のかけ方に気を配っていることをご紹介いただきました。例えば、ネガティブな言い方ではなく、ポジティブな言い方を心がけるとして、「聞いてください」ではなく「今から説明しますね」、「走らないでね」ではなく「ゆっくり歩きましょう」など、してほしくないことではなく、してほしいことを伝えることを重視しているとご説明いただきました。それらは「キッザニアワード」と呼ばれているとのことでした。

 質疑応答では、受講生から、アクティビティに参加した子どもたちの変化、スポンサー企業とともにアクティビティを作っていくときの工夫、スーパーバイザーの研修などについて質問があり、佐野様からは丁寧に解説や補足をしていただきました。今回の講義は受講生にとって、子どもの成長に関わる多様な活動について考え、視野を広げるための大変良いきっかけとなりました。

 

【受講生からの感想・意見の抜粋】

・子どもの成長に関わる仕事や子どもを主役にする仕事は「先生」以外にもたくさんあることを知り、視野が広がった。

・子どものことを一番に考えるからこそ、信じて任せることができるとわかった。

・子どもたちがアクティビティに参加しているときに、保護者はパビリオンの外で見守ってもらうようにしているということが印象的だった。子どもの成長、可能性はすごいと改めて感じました。

・ネガティブな言葉ではなく、ポジティブな言葉を心がけるなど、学校教育の現場でも活用できる工夫がたくさんあり、とても勉強になった。大人の都合ではなく子どものことを考えた言葉かけをしていきたい。

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