「和の精神」の時間に留学生がスピーチをしました
2020年2月19日
四天王寺大学では、毎年、冬学期に中国浙江工商大学から留学生を受け入れています。この冬学期に留学生してきた学生たちは、昨年9月に来日し、今年の2月末まで滞在予定でした。が、現状、帰国の目途が立たないままに本学での学修を続けています。
いろいろと心配なことも多いと思いますが、留学期間中はしっかりと日本文化を学んでほしいと思います。
さて、9月からスタートした留学生活も4ヶ月が過ぎて、日本で様々な経験をしたことでしょう。日本での留学生活を通じて、いろいろなことも考えたことでしょう。
その成果を、1年生の学生たちには広く知ってもらおうと、1月初めの冬学期の授業期間も終わりに近い時期の「和の精神Ⅱ」の授業では、留学生2名にスピーチをお願いしました。
大学・短期大学部の1年生全員、そして、教員や職員、1,000人以上を前にしての大講堂でのスピーチですから、とても緊張したようです。が、いざスピーチが始まると、その話しぶりは堂々としていて、かつ、内容も、日本で生活していれば当たり前のことでも、留学生の目にはとても興味深いこととして映ったことを具体的に話してくるもので、1年生の興味を惹きつける魅力あるスピーチでした。
たとえば、ラーメン一つを注文するのに、店員が非常に丁寧な態度で注文を受け、さらには麺の茹で加減やトッピング、味付けの細かな点まで確認する事に驚いたということ。そこに、お客様を大切にして、満足してもらいたいという気持ちを感じたということ。しかし、いざ支払いとなると、現金が優先で、中国で当たり前となっている電子決済ができないことに驚いたということを紹介してくれました。
これほどまでにお客様の都合を優先するという姿勢がしめされているのだから、日本ではもっと当たり前のこととして電子決済取り入れられてもいいのだろうに、なぜ、電子化が進まないのかという疑問が呈されました。
もう一人の留学生は、日本では、食料品について、国産であること、そしてその新鮮さが非常に重視されていることに驚いたということについて語ってくれました。日本のスーパーでは、新鮮であることが大切で、少しでも古くなった商品はディスカウントされて、出来るだけその日のうちに売りさばいてしまおうと努力しているということ、それは、中国ではあまり見かけないものの売り方だと驚いたというお話でした。
たしかに、今、フードロスは大きな社会問題となっていますし、このような日本の販売方法は、贅沢なことなのかもしれないですが、しかし、同時に、いかに日本人が健康に気を使っているか、食べるものによる健康維持の大切さを重視しているのかということを、しっかりと感じ取る機会になりましたと語ってくれました。
留学生たちの目に、日本での生活に慣れてしまった私たちには「当たり前」であったことがどのように見えたのか、その違いを彼らがどのように受け止めたのか、学生たちは真剣に聴き入っていました。
終わりには、学生からの質問の時間が設けられましたが、留学生たちは学生からの質問に、丁寧に答えてくれました。
留学生たちが、無事に帰国できる日が早く来ることを願っています。
