「聖徳太子ゆかりの地を巡る―奈良 大安寺篇」ウパーヤ取材見学レポート



ウパーヤ11号「聖徳太子ゆかりの地をめぐる」の取材のため、6月4日に奈良県にある大安寺奈良国立博物館を訪れました。学生編集員のお二人によるレポートです。

まず初めに大安寺を訪れました。大安寺は聖徳太子建立とされる熊凝精舎(くまごりしょうじゃ 現在の大和郡山市額田部にあった)を平城京に移したもので、国の安泰と人々の安楽を祈る大寺として、大安寺と名付けられました。華麗なる大伽藍には887名もの学僧が住したといい、さながら仏教の大学のようであったところから「日本の祇園精舎」と呼ばれ、我が国仏教の源流をなすともいわれています。中世以降、災禍などで伽藍は消失しましたが、古来の息吹を伝える9体の天平仏が今も収蔵庫に保管され拝むことができ、そこでは音声と共に昔の大安寺全体の模型や歴史資料を見ることができます。

今では癌封じの寺として知られ、遠近よりの参詣が多く、境内も少しずつ整備されてきています。この日も癌封じ、病気平癒、厄除け、その他の御祈祷や御回向が行われていました。(学生編集員:安本あみ)

 

大安寺の後、奈良公園内にある奈良国立博物館に行きました。平成28年の春にリニューアルオープンした「なら仏像館」。日本の飛鳥時代から鎌倉時代までのものを中心に、中国や朝鮮半島のものも含め、常時約100件の仏像を見ることができます。

仏像の見方や歴史について分かりやすいパネル展示がしてあり、また木彫仏の製作過程なども紹介しています。また、ガイドさんから仏像のちょっとした秘密などを教えてもらって、どのような仏像なのかが分かりやすく学ぶことができました。実際に博物館に行かないと分からないことがたくさんありました。

私たちが行った日は「特別展 快慶」の最終日で、阿弥陀如来立像や弥勒菩薩坐像など重要文化財の仏像を生で見ることができ、貴重な経験になりました。また多くのお寺から集められた仏像は、とても小さいものから大きいものまで様々で、それらを実際に目の前にすると圧倒されたような気持ちになりました。

なら仏像館と新館とは地下回廊でつながっており、カフェやレストラン、ミュージアムショップなどがあり、鑑賞の余韻を味わいながら休憩したり、グッズを見たりするのもまた楽しみです。(学生編集員:土井晴奈)

★「聖徳太子ゆかりの地をめぐる―飛鳥寺編」取材見学レポートはコチラよりご覧いただけます。


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