人文社会学部 日本学科 -最新情報-

資料と向き合う「私」-「博物館資料論」での学び

本学で博物館学芸員資格を取得すべく学芸員養成課程で学ぶ学生たちの様子は、すでに何回かご紹介していますが、今回は、2年生の学生たちの夏学期の学び全体についてご紹介します。

この科目「博物館資料論」では、「博物館資料」とは何かということを学ぶだけでなく、そうした展示物となる資料と自分はいかに向き合うべきなのか、そうした資料の展示活動や教育普及活動などで資料を人々に紹介することで、人々が理解を深め、さらに興味関心を高められるようにするためには、どのようなことが必要なのかについても学びます。

そのために、この授業では、資料と向き合う「私」という意識の形成が重要になってきます。

このことを学ぶための講義に併せて、実践演習としても、様々な活動をしてきました。

「私のコレクション」をグループメンバーに紹介したり、陶磁器を使ってのデータカード作成実習と、それに基づくキャプションや展示解説を作成しての展示実習もしました。

 

実習で使用したのは、いずれも、普段使っているような身近な食器なのですが、これらを博物館で展示する資料のように扱って、その寸法を測り、素材や図柄、彩色、形状などの記録をデータカードに記入していきます。そして、自分の気に入った器1点を選び、それを紹介する簡単な展示解説を作成し、グループメンバーで複数の食器を実際に展示して「私のおすすめの器」についてクラスメンバー相手にギャラリートークをするという課題をこなすことは、なかなか大変でした。

 

本学所蔵の貴重な古典籍も図書課から借り出して、書誌調査を行い、長い時間、大切に受け継がれてきた貴重な古典籍を実際に手に取り、本文読解にチャレンジするという体験もしました。

 

 

そして、奈良国立博物館の見学実習も行いました。この日は、翌日が特別展「快慶」の最終日という週末でしたので、多くの来館者で込み合う中、事前に配布されたワークシートを手に、博物館はどのようにして来館者に「伝えたい情報を伝えようとしているのか」を考察する課題に取り組みました。

もちろん、展示もしっかり見学してきましたよ。

 

また、実際に博物館資料を扱う経験をされている外部講師の先生をお招きして、民俗学資料や仏像に関する講義を受ける機会もありました。

 

奈良国立博物館での見学課題に展示室での照明の使い方に関する考察もあったのですが、それを踏まえて、仏像に関する講義をお願いした本学非常勤講師で、四天王寺宝物館学芸員の一本先生には、冬学期の「博物館展示論」の授業へのつなぎとして、仏像のレプリカに実際に光を当てて、資料を展示するに際しての照明の大切さについて教えていただきました。

 

こうして、授業を通じて、さまざまな「モノ」を資料として扱い、そうした資料を通じて、人に何かを伝えるという作業を体験する中で、「プチ学芸員気分」も味わいながら、学芸員という仕事の魅力とその大変さの両面を学びつつある学生たち。

学芸員としての専門就職はなかなか難しいのですが、このように「言葉で伝える力」を修得し、「見せて・魅せて伝える技術」を学ぶ経験を重ねることは、卒業後も、さまざまな場で活用できる力を育てることになります。

資格取得をめざすだけでなく、自らの「伝える力」も高めるべく、これからも頑張りましょう。

 

一覧に戻る
学科に戻る