人文社会学部 日本学科 -最新情報-

留学生の「日本文化論」 [後編]

日本学科の1年生専門科目「日本文化論」での浙江工商大学からの留学生たちによる「日本文化」をどのように受け止めたのかについてのスピーチの午後のクラスの様子をご紹介します(前編より続く)。

留学生の「日本文化論」 [前編]

本学に留学中の学生たちは、昨年9月に来日し、今年の2月末まで滞在予定でした。が、現状、帰国の目途が立たないままに本学での学修を続けています。いろいろと心配なことも多いと思いますが、留学期間中はしっかりと日本文化を学んでください。

大学院生留学生の「日本文化論」を聴く

午後のクラスは、浙江工商大学大学院からの留学生にお願いしました。 さすがに大学院生ともなると、これまでのグループワークの場でもしっかりと意見を述べてくれたりしていますので、学生たちにもどのような話をしてくれるのかな、という期待が高まります。

 

一人目は、大学入学時には、特に日本語を学びたいと思っていたわけでもなく、たまたま日本語を専攻することになったが、次第に日本語への興味が深まり、今では日本語と中国語の翻訳の仕事に関わりたいと思っているという大学院生です。二人目は、日本語を学ぶきっかけはアニメ『有頂天家族』を見たことだったが、原作となった現代日本の小説を読み、京都に対するあこがれや、数々のアニメ作品の「聖地巡礼」をしたいという気持ちが高まり、それが、日本へ留学しようと思ったきっかけとなったという大学院生です。

すでに日本語能力試験1級に合格しているが、自分の日本語の実力がどれほどのものなのかを、実際に日本で生活することで確かめ、さらに聞き取りの力や会話力を高めたいと思った。そして、理解したことは……と始まった一人目のスピーチ。

 

日本語では、その言葉は理解できても、本当の意味が分からないという難しさがある。相手の本当の気持ちはどのようなことなのか、それをはっきりと把握できず、また伝えたいことがわかっても、では、どのように返事をすれば失礼にならないのかが分からない……今では、多少はそのコツがわかってきたが、難しいということ。

そうした日本人の態度から、中国では「日本人は冷たい」とされている。しかし、ここ羽曳野地域や四天王寺大学で生活している限り、そのようには感じなかった。人々は暖かく、学生も積極的に私たち留学生と交流してくれた。日本人は冷たいなんてことはない、と感じているということ。

中国で学んだ日本人の先生の印象から、「日本人は、頑ななところがあって、なかなか人の意見を聴いてくれない」と思っていたが、IBUでは、親切で優しい人々に出会い、そうした印象も変わった。が、やはり、融通が利かないし、多様性を受け入れにくい社会だという印象はある。

日本の学生は、更には大人も、もっと漢字文化を大切にしてほしい。漢字の読み書きが十分にできない学生が、多くいることに驚いた。中国では、日本語や日本文化を学びたいと思っている人が多い。日本の若い人たちも、中国に興味を持ってほしい。

などの語りかけをしてくれました。

そして、二人目のスピーチへ

実際にアニメの舞台に出かけ、その場の雰囲気、景観を満喫できて感動した。しかし、その製作に関わった京都アニメーションの事件は衝撃的だった。また、実際に日本で生活してみると、中国の違いはあまりないようにも思えたが……と、自分自身の経験を中心に日本での留学生活で感じたことを語ってくれた二人目のスピーカーは、

 

日本のスーパーでの生鮮食品の扱いを見ていると、日本では新鮮さが何よりも重視されているのだなと感じた。健康重視の社会なのだろう。

日本人は無意識のうちに、日本らしさを示している。たとえば、「空気を読む」ということ。意識せずに、他者への思いやりを示しているのだろうが、そうした過剰な思いやりは、異文化圏の人間にとっては、本当の心が理解できず迷惑に感じることがある。

中国人留学生として、中国代表のように、中国の文化について質問されることも多かった。しかし、しっかりと中国文化を説明するには、私の日本語能力がまだまだ不足していることを実感し、さらには、日本のことも十分に理解していないので、比較して話をすることもできないということに気が付いた。もっと、しっかり勉強しなくては……

大学の図書館をよく利用したが、勉強場所としてよりも、睡眠の場として使っているような学生がいた。それは、よくないと思う。マナーを守ることが大切だ。

と、留学期間中は、熱心に日本文化を学び、日本の人々との交流をしてきたものの、まだまだ自分の日本語の能力を高める必要性を感じたとのことです。

学生からの質問

二人ともに、自分たちの日本語はまだまだですと言いながらも、流暢なスピーチをしてくれました。

学生からは、どのようにして日本語を学んだのか、その学習方法を教えてほしいという質問などが出ました。

 

 

留学生からは、NHKのニュースを何度も繰り返し視聴しアナウンサーの真似をした、あるいは、日本のドラマを視聴し、そのセリフを何度も繰り返し真似をしたなどの学習方法が紹介されました。

また、アニメをはじめとする日本のサブカルチャーに対する人気が高いようだが、留学の目的にそうしたサブカルチャーを学ぶことを挙げる人は、どれぐらいいるのかという質問もありました。

 

日本文化全般と、特にサブカルチャーに興味がある人とにわけるなら、その割合は半々ぐらいだろうとの回答がありました。また、こちらの質問には、この日のスピーカー以外の留学生も答えてくれました。

さらに、留学して学びたいという人に、サブカルチャー志向が高まっていることに、中国の大学の先生方はどのように反応しているのかというこの科目の担当教員からの質問には、文化の幅を広く考え、まずは、何事に対しても興味をもって勉強すればいいという態度だと学生の側は感じている、という答えがありました。

 

留学生たちは、半年という限られた時間で、多くの希望をかなえ、かつ、失敗を恐れずいろいろなことに取り組んできました。日本学科の学生たちも、その姿に、学ぶことが多かったと思います。

日本学科のみなさんも、学生の間に、機会があれば、ぜひ研修や留学に参加して、日本以外の国での生活を楽しみ、異文化に接して、自分の知識を深め、視野を拡げてください。

 

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