人文社会学部 日本学科 -最新情報-

短歌を楽しもう —— 平安文学ゼミでの実践

明けましておめでとうございます。新春ですので、日本学科にふさわしい、雅なゼミ紹介をお届けしたいと思います。

短歌実作にはこのような意義があります

皆さんは、五七五七七の短歌を作ったことはありますか。短歌は明治期の革新運動以前は和歌と呼ばれ、日本古来の詩歌ではもっともポピュラーな形式でした。

平安文学ゼミでは、研究のテーマとして和歌をとりあげる場合があります。研究する上で、短歌を作った経験は役に立ちます。また、国語教員となった暁には、生徒に実作指導をすることもあるでしょう。いろいろな面から、短歌の実作は大事な学びと言えます。

短歌会はこのように進めます

あらかじめ一首詠んで、司会者に提出しておきます。今回は「月」を題としました。題を設定せずに自由に詠むというスタイルもあるのですが、「題があった方が詠みやすい」という声が多かったので、今回は題詠としたのです。司会者は提出された短歌をあらかじめプリントにまとめておきます。ただし、作者名は伏せておきます。

いよいよ短歌会です。雅な雰囲気も味わおうと和室で開催しました。

まず、短歌が一覧されたプリントが配布され、各自が良いと思った歌に投票します。司会者が得票数を発表し、票の多かった歌から順番に皆で講評していきます。

講評する力を身に付けることも大事な学びです。作者は何を歌おうとしたのか、どこに作者の工夫があるのか、どのような状況を想定すべきなのか、どのような感情が読み取れるのか、などを的確に述べなければなりません。「なんかわかる~。」「共感した!」で済ませてはいけないのです。自分の持てる限りの語彙を使って言語化し、説明していきます。見事な講評には感嘆の声もあがりました。

講評が済んだ歌から順に作者が明かされていきます。思いがけない人が作者で驚くこともあれば、「やっばり!そうだと思った」という場合もありました。実はゼミ担当教員の他に2名の日本学科教員も詠草を寄せてくださり、大いに盛り上がりました。作者名公表は楽しくも緊張する一瞬ですね。

得票の多かった短歌と講評を紹介します

うさぎさんつきのなかにてぺったんとおもちつきしてまるいしあわせ

悪い人月に代わってお仕置きよセーラー服着たあの子に釘付け

帰り道ふいと目線を上にして月が綺麗とLINEを送る

電話ごし違う景色を眺めてる二人を照らす月だけおなじ

きれいだね横顔を見て言ったのに空を見たまま君はうなづく

ねぇ見てよ月が綺麗と指差した君の横顔秋の涼風

忙しく走り回ったそんな日は三日月の端(は)でほっと一息

打除けの美しきさま三日月は千歳の時を輝き渡る

上記がとくに多くの票を集めました。

講評も少々紹介します。たとえば3首目「帰り道」歌は、恋心がどう表現されているかが話題になりました。ある人が、第四句「月が綺麗と」には、漱石の発言とされる「I love you は月が綺麗だねとでも訳しておきなさい」の意が込められているのではないか、と指摘しました。はたして作者名が明かされてから作者の弁を聞いてみると、そのとおりでした。鋭い指摘でしたね。

7首目「忙しく」歌は、三日月のはしっこに腰かけて一息つく、というファンタジックな遊び心が良い、と評されました。

8首目「打除けの」歌は、実は月そのものを詠んだものではありません。そのことに気づいた人が、国宝の名刀「三日月宗近」を詠んだ歌であること、「打除け」とは刃文の一種であることを解説してくれました。名刀の美しさと歴史の重みが表現された歌だったのです。

短歌会で心豊かな時間を過ごしましょう

このように短歌を実作し講評する経験は、研究にも国語教員の仕事にも生きてくるものです。しかし、何より短歌を作り皆で楽しむことは、とても心を豊かにします。今回はゼミの授業で開催しましたが、自分たちでも自主的にこのような時間を持ってもらいたいと願います。

 

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