日本語教育の学びを実践——日本語日本文化研修留学生との交流



四天王寺大学では、毎年夏学期に、アメリカ合衆国のユタ大学からの日本語日本文化研修生を受け入れています。研修生たちは研修期間中の平日、午前は日本語の授業を受け、午後は日本文化研修を受けたり、大学のいろいろな授業に出席したり、本学学生との交流行事に参加したりします。

日本学科の授業には日本語教育に関する学びもあり、「日本語教育実習指導及び実習」という科目を受講している4年生が、これまでの日本語教育に関する学びを実践すべく、授業の1コマを利用して、「学生が主導して、留学生(研修生)に日本語を使うアクティビティ(活動)を提供する」ことに取り組みました。ここでは、日本語文法の中の特定の項目や文型を教えるのではなく、留学生の日本語レベルは問わず、彼らがアクティビティを楽しみながら日本語を使い、また日本文化に触れてもらうことを目的としています。

実施に先立って、この1コマの中でどんな活動をするかを教員ではなく学生自身が考えて決め、準備を進めてきました。今回選んだ活動は「ダイナミック日本語すごろく」「クイズ・これ何?——日本の文物を日本語で説明してみよう」「俳句を作ろう!——夏の俳句編」の3本です。

いよいよ当日、まずは自己紹介。次の「日本語すごろく」や「これ何?」は、ゲームに取り組みながら、留学生が今持っている日本語能力を総動員してゴール(目的)を達成する活動です。日本学科生は活動の仕方を説明し、指示を出し、そして留学生たちを見守りながら適宜サポートもしなければならないのですが、まだまだ不慣れでぎこちなさも……(教員はなるべく口も手も出さない方針)。ですが留学生が意を汲んでくれたおかげもあり、無事にゴールに着くことができました。

最後の「俳句を作ろう!」は、日本学科らしい取組みですね。はじめに俳句のルール、5-7-5の17音節(syllable:普通に発音して切れ目がなく、不自然でない最少の発音の単位)から成ること、季語が必要なことなどを説明し、夏の季語の例を紹介した後、留学生それぞれに俳句作りに取り組んでもらいました

 

質問があれば答えて「そこはこうしてみたら」などのアドバイスを提供。「ああーそれいいですね!」といった励ましも示します。留学生は、まずは下書き用のワークシートに句を試作し、納得できたら、好きな色の紙を選んで清書しました。全員の成果を黒板に張り出して、読み上げます。皆さんなかなかの出来でした!

 

留学生の句をいくつかご披露させていただきます。

  • 夏花火 家族と過ごす 夢のよう
  • ふうりんだ 夏は近くで 海の家
  • あついなあ アイスクリーム とけちゃうよ
  • 夏休み わしょくおいしい 日本すきだ (字余り)

かくして90分の時間をいっぱいに使って、終了しました。

まだまだつたない日本学科生の説明や指示でしたが、取り組んでくださった留学生のみなさん、ありがとうございました。お楽しみいただけたなら幸いです。

日本学科生は後日の振り返りで反省しきりでしたが、今回の経験をぜひ今後に生かしていきましょう。

 

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