人文社会学部 日本学科 -最新情報-

和歌同好会 OB・OG との短歌会

IBUには「和歌同好会」というサークルがあり、主として競技かるたの練習と短歌会(短歌創作と作品の相互批評)の活動を行っています。実はこの「和歌同好会」は5年前に、当時日本学科の2年生だった学生たちが中心となって立ち上げたものです。

在学中サークル活動に熱心に取り組んだ部員たちは、大学卒業後も大学祭などの機会に顔を出してくれていますが、過日、卒業生・現役部員・教員が参加する初めての短歌会が開かれましたのでその様子をご紹介します。

 

参加者が詠んだ短歌は、事前にまとめ役(今回は卒業生のSさん)に送り、作者名が伏された状態でプリントにしてもらっておきます。短歌会当日は、そのプリントをもとに、参加者の歌を鑑賞して、参加者それぞれが自分が良いと思った歌に投票するというやり方で優秀作品を決めていきます。今回参加者が詠んだ歌には2種類ありました。題詠(指定されたテーマに合わせた歌を詠む)と自由詠(テーマによらず自由に詠む)です。今回の題詠のお題は「実を見る」、つまり「現実風景を歌に活写しつつ、そこに自分自身も込める」という、なかなか難しいテーマでした。 

作者が明かされないままに作品を鑑賞し、これだと思う歌に票を入れた人は、その歌を選んだ理由・感動したところ・改善すべきところなどを述べなければなりません。ひとしきりコメントを披露しあった後で、その歌の作者が明かされます。作者が明らかになると、「そうだと思った」とか「意外な人だった」などと大盛り上がりです。続いて、作者から歌意や作歌上の苦心・工夫などが述べられます

 

今回は、当日参加できない人も含めて12人から、題詠12首、自由詠20首が集まりました。その中から得票数の多かった歌を2首ずつ紹介します(教員の歌以外を紹介しています)。

◎題詠(「実を見る」)より

花の風ひらり幾ひら皆仰ぐ嫉(そね)む私もいっそ散ろうか

バス停に置いてけぼりの雨傘よ 開け、まだ見ぬ君の手中で

◎自由詠より

銭湯で時事ネタ振られ吃(ども)る彼 未来人ジョンに間違いない

文学の表現技法は嘘もある雨は悲しいだけじゃないから

集まった短歌を見て感じたのは、やはりそれぞれの日常が歌に反映されているということです。親しい存在との別れ、行きあった風景に対する感慨などのほか、卒業生の歌には、仕事の中の小さな出来事を捉えてそこに意味を見出したものがいろいろとありました。

卒業生たちは、社会人として多忙な日々を送っています。学生時代に比べ、自由に使える時間は減っていますが、そんな中で、どのように短歌と関わり、接しているのでしょうか。当日参加した卒業生の何人かに聞いてみました

◎一般職に就いたSさん

仕事も3年目になり、落ち着いて余裕が出来てきた。それに加え、日常では文学的なことがないことに物足りなさを感じていたので、今回みんなに呼びかけて短歌会を主宰した。日常の中に非日常を見つけて歌にしていきたいと思っている

◎教職に就いたTさん(中学校の「国語」の先生)

学生時代から短歌作り、競技かるたに親しんでいたが、社会人となった今ではそれらは自分のアイデンティティの一部となっていると感じている。「国語」の教師としても、自分の探究テーマは詩歌に定めたい思っている。

今後も、卒業生も参加する短歌会の開催が予定されています。在学生の皆さんも、「和歌同好会」に参加してみませんか。

また、学科の学生が卒業後も大学とつながりを持ち、元気な姿を見せてくれるのは、私たち教員にとっても嬉しいかぎりです。ですから、今後もこのような機会を大切にしたいと思っています。

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