人文社会学部 日本学科 -最新情報-

話し合いは、よりよい状況を生み出すのか?

日本学科の2年生が学ぶ「日本学基礎演習Ⅱ」(プレゼミ)では、3年生以上の学生が所属するゼミを担当する先生方によるゼミ形式の授業(プレゼミでは7回で1コースとする)を、学期前半・後半に1つずつ、合計2コース受講します。

ゼミでの学修内容を具体的に理解し、ゼミでの学修に必要となる基礎的な知識を学び、来年度から所属するゼミ選択の参考とするための科目となっています。

その「日本学基礎演習Ⅱ」の初回授業では、毎年、学生のコミュニケーション能力を高めるためのゲームを取り込んだ授業を展開しています。

今年度も、昨年度同様、コンセンサスゲーム「砂漠からの脱出」に取り組みました。

 

コンセンサスゲームとは何か、このゲームでは何をするのかなどの説明を受け、個人作業を踏まえて、グループでの話し合いへと進みます。

昨年度の経験を踏まえ、担当教員は、プリントやパワーポイントのスライドのあちらこちらに、ヒントや参考となる情報をちりばめているのですが・・・

学生のみなさんは、なかなか、それに気が付かないようですね・・・

 

とはいえ、さすがに2年生も後半になると、このようなコミュニケーション活動にもすっかり慣れているのか、話し合いは、かなり活発に行われています。

グループの中で、発言をしない人や、意見交換に関わらないというスタンスをとる人はいません。

誰もが、自分の意見を主張し、他者の意見をしっかりと聴いています。

 

 

と見えたのですが・・・

なぜか、あるクラスでの結果は、個人成績よりもグループで話し合いをした結果の成績のほうが悪い?のです。

もっとも、時間の制約があり、全員の個人成績とグループ成績の結果を比較することができなかったので、細かい分析はできていません。

が、基本的には、話し合いをすることで、よりよい状況を生み出すはず・・・ですから、グループでの話し合いの結果のほうが、よい成績になっているはずなのです。

みなさん、しっかりとした主張をする人の意見に引きずられてしまいましたか?

 

また別のクラスでは、最初に決めるべき重要事項(遭難場所から最寄の街をめざして移動するのか、それとも動かずに救助を待つのか)に関して、双方に同数の意見が付き、

最後までグループとしての合意に達することができず、話し合いを先へ進められなかったグループもありました。

忌憚なく自分の意見を言うことはできても、異なる意見の相手を納得させることはできなかったようです。

それは、単にサバイバルに関する知識が少なかったからでしょうか?

話し合いがうまく進んだ他のグループのメンバーは、振り返って、

「自分の考えを精確に伝えるために、なぜそういう考えになったか必ず理由をつけて言った

「人の意見をしっかり聞いて、その上で、どうすればよいか考えた」「相手の立場からも考えてみた」

「自分の意見も出し、もっとほかの意見がないかも考えてみた」などと述べています。

*****

他者の意見をしっかりと、一生懸命に聴くということは大切です。

が、他者の意見について、矛盾や非論理的な部分がないかと冷静にそれを分析すること、場合によっては、その結果を踏まえて自分の意見を見直すという態度はもっと大切です。

自分なりの確固とした考えを持てるのはよいことですが、それは他者との話し合いという試金石に耐えうるだけの客観性を備えているのだろうか。

自分と他者が同じ場で話し合うことの意義はどこにあるのか。そのようなことも意識しつつ、自分を高めていってほしいと思います。

自己主張をするということは、相手を拒否するということではなく、相手への共感、相手の主張への理解の上に、

よりよい状況や関係を生み出すための、いわば提案を行う行為なのだと理解して、今学期のプレゼミ、そして来年次以降のゼミに取り組みましょう。

他者との協働によってよりよい状況を生み出すために、自分はどうすればよいのか、そこでの自分の役割を把握するということを学ぶのも、ゼミでの学びの重要な要素です。

 

 

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