人文社会学部 日本学科 -最新情報-

それぞれの研究成果を発表しました——「日本学基礎演習Ⅰ」

日本学科2年生の必修授業「日本学基礎演習Ⅰ」は、3年次以降の「専門演習」(ゼミナール)での学修のための基礎となる技法や力を身につけること、および、社会人として必要な「話す力」を習得することをめざす授業です。
少人数クラスでしっかりと学ぶべく、一学年を6クラスに分割しています。今回はそのうちの2つのクラスの取り組みについてご紹介します。

あるクラスでは、主として前半はグループワークの形で、後半は個人で、それぞれが設定した問題についての研究に取り組んできました。ここでは個人研究の取り組みについてご紹介します。

 

課題は「私たちが生きている、この現代の日本は、豊かだと言えるのだろうか」という問題を、受講生各人が領域を選んで(限って)追究するという内容です。領域の設定はそれぞれの興味・関心に任されていて、今年も多彩な領域が揃いました。それらの領域が、「日本は豊かか―森林・林業から見て―」のように、研究発表のサブタイトルとなります。受講生たちの設定した領域を他にもご紹介します。「自然に関して タヌキの視点から」「日本のアニメ・マンガの観点から」「子どもの幸福度から」「食文化の面で」「高齢者介護の視点から」「街づくりの観点より(ヨーロッパと比較して)」「日本の音楽教室に関して」「地域と連携する教育という観点から」「特撮ヒーローたちにとって」等等。

受講生たちが行ってきたのは次のことです。① それぞれが取り組む領域を選ぶ ② 必要な文献・資料を探し、入手する ③ それらを読み込み、自分の論のための材料として使えるものを取り出す ④ 材料を論拠に使い、自分の論を組み立てていく ⑤ 発表時に使用する資料(グループワークの時はハンドアウトだったが、今回はパワーポイントのスライド)を作成する そして最後に、その資料を併用しての口頭発表となりました。

 

各人の発表は、教員のみならず、他の受講生からも「内容・構成」「資料」「発表姿勢」等の観点から評価されます。発表に続く質疑応答時に「○○についてのデータがあった方がよかったのでは」「△△の点も考えるべきでは」といった手厳しい指摘がなされることも…。この個人研究発表の取り組みについて、受講生たちは振り返って「プレゼンが苦手なので、取り組めてよかった」「それなりに頑張ったが、自分の甘さがわかった」「自分自身でどのように情報を集め、まとめ、より分かりやすくすればよいかわかった」「説得力のある発表ができるように意識できた」「人に伝わるプレゼンテーションのやり方が身についたと感じた」「今後に役立つと思う」といったコメントを述べています。

もう一つのクラスでも、グループワークと個人発表という二つの課題に取り組みました。グループワークでは、『信貴山縁起絵巻』という絵巻物の一部を用いて、描かれている場面をことばで表現するという作業をグループで行うことで、同じ「もの」を見ていても、人それぞれの「ものの見方」があり、感じ方が違うということを発見ながら、お互いの意見をすり合わせて、その場面のナレーションを作成しました。ナレーション作成のためには、一つの場面をじっくりと観察し、自分たちなりの発見や気づきを第三者にしっかりと伝えるためにはどのように表現すればいいのかを話し合うことが必要です。

そして、個人作業では、このような作業を通じて培った観察眼を、IBUの学内に向けます発表課題は、「IBUの資源」。つまり、自分が発見したIBUの魅了を紹介し、それらの一層の活用の可能性を提案するというプレゼンを行いました。パワーポイントのスライドにも、それぞれの工夫があり、最近の学生のICT能力の高さ十分に示されるものとなっていました。

 

さて、複数の学生が取り上げたIBUの魅力は、「学内の豊かな自然」と「学内の清潔さ」でした。「学内の清潔さ」を紹介した複数の学生のいずれもが、清掃活動に携わっている方々への感謝を述べ、そうした人たちの姿が、学生の側にも学内を清潔に保とうという意識を形成しているのではと指摘し、そうした姿勢こそが「資源」だと紹介した学生もいました。
ほかにも、総合体育館、あべのハルカスサテライトキャンパス、図書館、音楽棟、就職や資格取得、教職のバックアップ制度などの学内組織について、学生の視点から見た魅力が紹介されました。と同時に、これらの魅力は十分に学生や周りの人々に伝わっているのかという点に関しては、宣伝不足なのではという指摘も多くありました。学生たちに、これらの施設の活用に関する情報が、十分に提供されていないというのです。

具体的には、体育館や図書館、音楽棟に関しては、「こんなに魅力的な場所なのに、その良さが学生に対して十分に紹介されていない」という指摘、また、豊かな自然を学生自身がもっと楽しみ、活用できるような活動や施設の導入も必要との指摘もなされました。さらには、学生証をもっと有効利用、たとえばミールクーポンなどとしても活用できるのでは、という指摘もありました。

このように、自分たちの生活空間である大学構内について、その良さと改善すべき点を客観的な観点から考察し、他者に紹介するという活動を通じて、いろいろと学ぶことも多かったのではないでしょうか。

このような学修を積み重ねた2年生も前半が終わり、みなさんは、大学生としての一層の成長ができたでしょうか。後半(冬学期)には「日本学基礎演習Ⅱ」で、3年次からの「専門演習」(ゼミナール)のプチ体験版“プレゼミ”での課題解決型学習に取り組んでいきます。

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