人文社会学部 日本学科 -最新情報-

「伝える」力を鍛えることができましたか(その1)--パフォーマンス実践演習前期で、学生は何を学んだのか?

日本学科の夏休み恒例行事、集中講義「パフォーマンス実践演習」が始まりました。

一日目は、どのように言葉を発し、いかに伝えるかテーマ。とはいえ、難しいことをするわけではありません。最初は、「おはようございます」と名前に続けて、美しいお辞儀をするだけ。こんな簡単なことが、実は難しいということに気が付きました。「アイウエオ」の母音が正しく発音できていますか?自分にとっては当たり前の自分の名前ですが、始めて聞く人に、正しく伝わるように発音できていますか?

次は、電話での会話の練習です。ワークシートに設定された状況で、伝えたいことをどうすればしっかりと伝えられ、かつ相手との円滑なコミュニケーションができるのか。言葉をはっきりと発音するだけでなく、相手への配慮、分かりやすく伝えるためには何が大切なのかを身近な事例から考え、実際の会話例を作って実演します。

インターンシップの申し込み、ネットで購入した商品の誤配についてのクレーム、アルバイト先で間違って注文してしまったお弁当の数の訂正連絡、忙しい相手にまずは結論から伝える、クッション言葉(お手数をおかけいたしますが、など)を使って、依頼する内容を気持ちよく聞いていただけるように配慮するなど、あたりまえに出来ていると思っていることについても、多くの気づきと学びがありました

こうした気付きと学を踏まえて、正しい発音や発声、腹式呼吸などの技術面の指導も受けました。

今まで、いかに、自分が口を開けていなかったのか、いかに、普段、呼吸を意識し、息をうまく使うということをしていなかったのかを実感しました。

最後に、学んだことすべてを思い出しながら、これから「私」は、「伝える」力を高めるためにどのような努力をしようと考えているのかをクラスメンバーの前で発表しました。自分の名前も、最初とは見違えるほどしっかりと、はっきりと名乗れるようになっています

二日目、この日は言葉ではなく、身体によるコミュニケーション能力を高めることをめざします。

最初の課題は、「言葉をかけながら、キャッチボールをする」です。誰に向かって投げているのか、「受けてね」と言うサインを発しながら投げないと、思う相手のもとにボールが届きません。何しろ、ボールは、一つだけでなく、二つ、三つと増えていくのですから大変です。

投げる側も、相手が受け止める体勢になっているのか確認してから投げないと・・・

しかし、ここで大切なことは、誰に投げるかではなく、全員が「受け止めてあげる」という態度で、自分の周りの人と視線を交わし合うことなのです。

次に、ボール抜きで、「言葉」のキャッチボールです。誰が誰に向かってその言葉を発しているのかを明確に示しながら声を出さないと届きません。

そして、最後は、視線のキャッチボール。目と目を合わしてサインを送るだけのことなのに・・・なかなか思うように伝わりません。

こうした実践演習を経験した後、この授業を通じてコミュニケーションについて、どのようなことを学ぶのかを確認しました。

次に、複数のグループメンバーによる演技で展開される会話や態度で、最高位からもっとも低い位置と設定されている人物の序列を観客に示すパフォーマンスをしました。

実は、自分たちの中でだれが一番偉い役のか、だれが最下位に位置づけられているのか、パフォーマンスをするグループメンバー自身もわかっていないのです。くじ引きで、自分がひいた数字にふさわしい立ち位置を、その場で指示された状況でとっさに演じてみせるのです。状況設定には、学校、会社、家など、身近ないろいろな場面がありました。

そうした設定に応じて、メンバー同士のとっさの判断、協力、お互いのアドリブのセリフのやりとり、お互いの様子を探りながら演技を作っていきます。

観客は、グループメンバーが手さぐりで演じている様子から、その登場人物の序列を判断するのです。

休憩をはさんで、今度は、身体を使ってのコミュニケーション活動です。

たとえば、4人のグループ全員が目をつぶった状態で、だれかがサインを出すことで全員タイミングを合わせてしゃがむことができるか・・・

次に、全員が円になって目をつぶって、誰かが発する「しゃがむよ」サインを、全員に伝えることができるか・・・

実は、これは、他人の息遣いを感じ取るということがポイントです。

これらすべては、実生活では、無意識にしていることなのでしょうが、それを意識的に実践してみようということです

「しりとりゲーム」もしました。

でも・・・この1分間のしりとりを、再現!!というのが最終課題です。この1分に、だれが、どのような言葉を、どのような様子で口にしたのか、今の1分を劇として再現します。思いがけない課題ですが、学生は、即座に、まずは、今のしりとりを言葉として再現し、次に、どのような行動とともにその言葉が口にされ、周りの学生はどのような反応をしたのかということなどまですべて再現しなければなりません。

さて、その再現はうまくできたのでしょうか?

こうした活動は、普段、無意識に行っているコミュニケーション活動を振り返ったり、改めて考えてみたりすることや、自分のくせや他者の動きに意識を向けたりすることで、よりよいコミュニケーションができるようになるための訓練です。

さらに、必要とされる場で、どのように自分を「演じるのか」、あるいは、演技者として自分以外の誰かを「演じる」ということを意識できることにつなげます。

これからも授業での学びにも取り組むことで、緊張するとか、上がるということとは、全く別の意味での「意識的なコミュニケーション」が行えるようになることで、より良いコミュニケーションができるようになりましょう。

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