人文社会学部 日本学科 -最新情報-

卒業生が、本学の教員として活躍しています。--コリア語を担当する金美順(キム・ミスン)さんへのインタビュー(その2)

現在の日本学科の前身である言語文化学科日本語日本文化専攻の卒業生である金美順さんが、この4月から、母校である四天王寺大学のコリア語の非常勤講師として着任し、後輩たちを熱心に指導してくれています。夏学期の最後の授業日に、在学時のゼミ指導教員の研究室を訪ねてくれた金さんとお話した内容の続きを紹介します。

金美順さん

*大学に入学したときから、金さんは、本学で日本語教師の資格を取得し、卒業後は他大学でハングルを教える教員の資格も取得して、将来は、日本語とハングルを教えたいという夢を語っていました。学部卒業時には、本学認定の日本語教員養成プログラムも終了していました。でも、大学院は、四天王寺大学の大学院で福祉学を専攻する課程に進みましたね。それは、なぜですか?

金さん:大学を卒業した後は、どうするのかということを考えたときに、自分の中に、まだまだ学びたいという気持ちがあることに気が付きました。大学生時代に、本学の社会人クラスでハングルを教えていた先生のクラスでの会話の授業をお手伝いした経験から、ハングルを教える教員になりたいという気持ちもより強くなりました。

が、そうした中で、四天王寺大学の大学院への進学も一つの選択肢になったのです。それは、身近に介護問題を抱える親族がいたこと、そうした介護の問題を抱える家族への支援、援助について学びたいという気持ちがあったためです。当時、四天王寺大学の大学院には、韓国系の先生方や留学生もいて学びやすい環境だったこと、そうした中で、韓国よりも進んだ日本の介護や支援の在り方を学び、それを韓国で実践する可能性も探りたいと思ったからです。

しかし、やはりハングルを教えたいという気持ちの整理もつかず、結局、大学院進学と同時に、天理大学でハングルの教員免許を取得するための勉強を始め、2年でその資格も取得できました。それには、四天王寺大学で、中学・高校の「国語」および高校「書道」の教員免許を取得していたことが、大きな助けとなりました。

特に、日本語を母語としない私が、「国語」の教員免許を取得するために教育実習に行くことにはさまざまな問題があり、大学2年生の時に、一度はその夢をあきらめたのですが、3年次になって、先生方に相談することで、いろいろと助けていただきました。結果的に、「書道」で教育実習に参加できるように取り計らってくださった今の日本学科の先生方には、とても感謝しています。大学時代に、教員免許を取得できたことが、その後の私の人生を大きく変えたのです。

コリア語を担当する教室にて


*金さんは、四天王寺大学大学院修士課程修了後は、ハングルを教える教員となるための学修を重ねるべく、関西大学の大学院に入学しました。そして、この4月から、母校である四天王寺大学で、コリア語のクラスを担当しています。金さんの夢の一つがこうして実現したわけですが、実際に、四天王寺大学でコリア語を担当しての感想を聞かせてください。

金さん:母校で教えることができるなんて、本当にありがたい、うれしいと思いました。それが分かったとき、本当に舞い上がりたいような気持ちになりました。実際に教えてみると、日本学科の学生は、みな、熱心で、本当は、もっと難しいこと、高度な内容へとどんどん進めたいぐらいですが、周りの学生の状況も見極めながら授業を構成しています。特に、先にも触れたように、単に語彙や文法知識を増やすだけでなく、その単語、そうした表現の背景にある韓国文化、韓国人の「ものの考え方」もしっかりと伝えたい、韓国の文化を理解してもらいたいと思って授業をしています。

でも、なによりも、このように、ハングルを学びたいと思ってくれる学生がいることが、とてもうれしいです。

 *いま、一番熱心に取り組んでいることは何ですか?今後、さらなる夢の実現に向けてやってみようと思っていることは何ですか?

金さん:ともかく、勉強すること、研究することが楽しくて、やめられません。これは、家族の協力もあってできることですが、でも、もし、家族にやめろと言われても、やめられないでしょう。

この夏休みの一番の課題は、修士論文を作成することです。博士課程への進学も考えていますので、そのための学会発表などの研究活動もしっかりしないといけません。

四天王寺大学以外にも、観光系の専門学校や奈良県の高校でもハングルを教えていますので、大学院に通うことと、教えることとで、本当に忙しい毎日です。よりよい授業をするための教材研究もありますから、自分の研究をする時間は本当に少ないので、夏休みを最大限に活用したいです。

福祉領域の研究に戻ること考えないわけではありませんが、今は、ハングルを教えること、さらに、文化領域の研究も深めて、比較文化、異文化理解などの領域の授業も担当できるようになりたいです。

毎日やることがたくさんあって、どんどん勉強を進めていきたい、もっと深く学びたいと思うことばかりです。

(ここで、金さんに、「先生もそうでしょう?」と質問され、かつての指導教員としては、思わず、自分の毎日の生活を反省することになりました。はい、たしかに、研究は楽しいですが、金さんほどに、一生懸命に研究と教育に取り組めているのか。教え子の姿に、大変、刺激を受けました。)

*このほかに、学生たちに、何か伝えたいこと、言っておきたいことがあればお願いします。

金さん:うーん、偉そうになりますが、やはり、大学時代には、しっかりと勉強して知識を増やしてほしいです。それと、異文化に触れる機会をもつことでしょうか。ぜひ、留学も経験してほしいです。

教員免許のほかにも、様々な資格もできるだけ取得したほうがいいでしょう。学生時代を振り返ると、教職課程を修めることは、私にとっては本当につらく負担でした。でも、そこで頑張ったという気持ちは、今の私の支えになっています。あきらめずに、いろいろなこと、できる限りのことにチャレンジしてほしいと思います。

大学卒業後も、何年も学修を重ねて大学時代の夢の一つを実現し、さらに、より多くの夢も現実のものにしようと努力している金美順さん。何事にも真面目に一生懸命に取り組む姿には、学生の時から感心していましたが、こうして母校に教員として戻ってくるまでの努力に思いをはせると、それが報われてよかったとうれしく思うと同時に、そうした努力を継続したことを、心から賞賛したく思います。

さて、金さんのように頑張っている卒業生も、他にもたくさんいることでしょう。

卒業していった学生たちのことを、私たち教員は、いつも気にかけています。

元気にしているのだろうか、学生時代に語っていた夢は叶えることができたのだろうか。

その後の生活のなかで、新しい夢や進むべき道を見出したのだろうか・・・

卒業生のみなさん、ぜひ、近況をお知らせください。

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