人文社会学部 日本学科 -最新情報-

卒業生が、本学の教員として活躍しています。--コリア語を担当する金美順(キム・ミスン)さんへのインタビュー(その1)

現在の日本学科の前身である言語文化学科日本語日本文化専攻の卒業生である金美順さんが、この4月から、母校である四天王寺大学のコリア語の非常勤講師として着任し、後輩たちを熱心に指導してくれています。夏学期の最後の授業日に、在学時のゼミ指導教員の研究室を訪ねてくれた金さんとお話した内容を紹介します。

平成24年度卒業生で、現在、本学非常勤講師の金美順さん

金美順さん:言語文化学科日本語日本文化専攻(現在の日本学科)に入学したのは、平成21年度です。もう、ずいぶん時間が過ぎているのですね。私は、韓国の高等学校を卒業していたこともあり、一般の入試ではなく、外国人入試を受験して合格しました。

当時の私は、夫が経営する貿易会社を手伝う主婦でしたし、三人の子供たちの子育て中でもあり、大学に入学して大学生としての学びを継続的に行うということは、かなりの困難を伴うものであることは予想していました。

それでも、四天王寺大学に入学して、日本語や日本文化を学ぼうと思ったのは、それまでも日本語を学んではいましたが、ここで改めて大学でしっかりと学ぶことで、正しい日本語を話し、さらに、読む、書くという能力についても、本格的な学修を行う機会を得てこれを高めたいと思ったからです。

それだけでなく、子育て中の子供たちにも自信を持って、自分の言葉を発することができるようになると思いましたし、そうした気持ちや態度が、これから私が、子供を日本で育てるために、必要だと思ったこともあります。

日本語日本文化専攻で、日本語や日本文化について広く深く学ぶうちに、日本文化を客観的に見る目を養うことできました。実は、それまでは、家庭内でも自分の中に根付いている韓国文化、韓国の生活習慣を無意識に表に出すと、夫に注意されたりすることがありました。そうした時には、自分が否定されたような悲しい気持ちになることがありました。

が、大学で、日本語や日本文化を学ぶ過程で、その背景にある思想、文化、日本人の物の考え方を学び、なぜ、夫がそのような発言をするのか、なぜ、子供たちと私の間に価値観の違いが生じるのかなどを冷静に判断し、そうした「文化の衝突」について、感情的になるのではなく、話し合ったりしてお互いが納得し、理解する場を、自分から作っていけるようになったのです。

それは、「異文化が衝突することは避けられない。だからといって、衝突したままで、いがみ合っていてもダメだ。私が日本で生活し、日本で子供を育てると決心した以上、ある程度は日本の文化を受け入れ、譲歩することが必要なのだ」という気持ちになったことが大きかったのですが、そうした気持ちになれたのも、日本語日本文化専攻で、日本語や日本文化について、幅広く、かつ深く学ぶことができたからだと思います。日本語日本文化での学びが、異文化理解や異文化受容に必要な「ものの見方」を教えてくれたのです。

このことは、今、ハングルを教える立場になって、とても役に立っています。外国語を学ぶことは単に言葉や文法を学ぶことだけではなく、その背景にある文化も含めて教えなければ、本当の意味での理解につながらないということは、常に私の意識にあります。言葉だけでなく、その背景にある韓国の文化も一緒に理解してもらえるような授業ができるように努力しています

*大学1年生として学び初めた時期、最も大変だったことは、どのようなことでしたか?

金さん:もちろん勉強も大変でしたが、やはり、同学年の学生との年齢差です。最初は、自分の立ち位置をどうすればいいのか、若い学生たちが自分を受け入れてくれるのかという不安があり、最初はすごく緊張していました。

もう一つは、レポートや課題、特に、論述問題の解答作成です。まだまだ、専門的な文章を日本語で作成することに自信がなく、戸惑うことが多かったです。一番参考になったのは、当時、経営学部にいた中国からの留学生の姿でした。この人が、困ったときには、なんでも先生方に相談しながら、熱心に学修している様子を参考に、私自身も、できるだけ先生方に相談をして、助けていただくことにして、なんとか最初の夏学期を乗り切りました。

*同学年の学生たちとの年齢差があることに関しては、どのように解決しましたか?

金さん:ともかく、自分から声をかけて積極的に交流の範囲を広げることをしました。それと同時に、クラスメートとなり、同じ授業を受けていることが多い学生との交流を深めることで、困ったときには頼ることができる人を確保しました。入学してからすぐに、何人かの親しい仲間ができたので、その仲間とお昼ご飯を一緒に食べたり、授業のとき、聞き逃した事項や、課題について教えてもらったりしました。その仲間たちが「国語」の教員免許を取得しようとしていたので、私も一緒に頑張れたのだと思います。本当に良い仲間と出会えてよかったと思っています。

在学中は、時間的にも無理でしたから、クラブ活動には参加しなかったのですが、大学祭などで仲間が披露する演奏会や、学外での発表を鑑賞することはとても楽しかったですし、今でも思い出に残ってます。今は、なかなか会える機会もありませんが、いつも「会いたいな」と思いながら過ごしてます。

*金さんは、3年生からのゼミは「日本文化」のゼミを選択しましたね。その理由を教えてください。

金さん:やはり、日本語の背景にある日本文化を深く知りたいと思ったからです。それと、ちょうど、その時の日本文化ゼミのテーマが「日本の伝統的年中行事」だったことも大きな理由でした。日本の伝統的な行事を知ることで、家族とともにそれを楽しめるようになりたい、韓国の伝統的な行事との比較も面白いかもしれないと思ったからです。

実際に、日本での生活のなかで実際に経験した日本の伝統的な年中行事について、その歴史や意味などを知ることは楽しかったです。

  

*四天王寺大学では、中国・浙江工商大学で日本語を専攻する学生を交換留学生として受け入れています。彼らに、日本の伝統行事について説明する場を「日本文化ゼミ」の時間内で設けた時の写真です。

金さんのグループは、端午の節句についての紹介を担当しました。懐かしい写真ですね。

金さん:卒業する先輩の「追い出しコンパ」の準備のために、ゼミの仲間と先生のご自宅に集まって、プレゼントの準備をしたりしたこともよい思い出です。

ゼミの仲間との卒業式での記念撮影

その2に続く

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