経営学部 経営学科
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IBUバラ園が見頃を迎えています!

IBUバラ園が見頃を迎えています!
商品史の扉をひらく(その1)~奇跡のバラの物語~

IBUにバラ園があるのをご存知ですか?奥まった場所なので、知らない人もいるかもしれませんが、図書館の左側をおりていったところに真っ赤なバラのアーチが見え、そこをくぐれば、素敵なローズガーデンがあるのです。ちょうど今、5月から6月にかけての時期が見頃で、よく手入れされた約10種、30本のバラが咲き誇り、爽やかな香りを漂わせています。

バラ商品史

このIBUローズガーデンにあるバラの大半が、フランスのメイアン社(Meilland)の交配により作り出された歴史的な品種です。今回はそのバラや、メイアン家にまつわるお話を紹介します。

南フランス、リヨンにあるメイアン社は、19世紀末に創業、3世代にわたりメイアン一家が経営してきた世界を代表するバラの育種会社です。その歩みは戦火による苦難に満ちたものです。1939年に第二次世界大戦が勃発、翌40年にはフランスはナチスドイツに降伏、42年11月にはリヨンがナチスに占領されました。もちろんバラどころではなく、激しい戦火の下、数万人の人が亡くなりました。

リヨン占領の前日、メイアン社の2代目、27歳のフランシス・メイアンは、バラで親交のあった、アメリカのウィットギル領事から、その夜のフランス脱出の計画の電話を受け、たった1本の苗木の入った小さな小包を託します。領事は着の身着のまま飛行艇でリヨン脱出に成功、大切に携えられた苗がアメリカのバラ育種家、パイル氏に届けられました。

それはいったい、どんなバラだったのでしょう?

1945年4月29日、カリフォルニア州パサデナで開催された全米バラ協会の大会で、戦火を逃れたバラは初公開されました。風格と存在感のある巨大輪、咲き始めはクリーム色から、やがて黄色に変化し、縁取りにはピンクが現れ、一つとして同じ花はない、これまで誰も見た事もないような品種でした。大会の出席者一同、感嘆していたその時、「ナチスドイツが降伏し、ベルリンが陥落した」というニュースが飛び込んできました。そこで、会議への出席者は、このバラを「Peace: ピース=平和」と名付けることにしました。

バラ商品史

翌月、5月8日のサンフランシスコで開催された国際連合創設会議において、バラ協会から各国首脳に贈られた「ピース」が、部屋に平和のシンボルとして飾られ、8月には第二次大戦の終結を決めたサンフランシスコ講和会議の席を飾ることになりました。 

今も、このバラは戦火を逃れ生き抜いた平和のシンボル、「奇跡のバラ」と称され、たった1本の苗木から増やされて世界中で育てられています。悲惨な戦争の時代、明日は命すらどうなるかもわからない中、この貴重なバラだけは何としてでも後世に残したいと思った人々の情熱と執念には、思わず胸が熱くなりますね。

IBUには、アーチをおりたところと、藤棚の横に2株のピースが育っています。

平和のシンボル 奇跡のバラ「ピース」
はじめは黄色、やがて透明感あるクリーム色から縁取りはピンクに変化していく、15センチの巨大輪、一つとして同じ花はないのも特徴。いい匂い??実は、ピースには残念ながら香りがほとんどありません。この薔薇を愛した鳩山一郎に吉田茂は「鳩山は香りのない人間だ」と言い、鳩山は、白バラ好きの吉田茂に「吉田は色彩感覚がない」とやりあったとか。
バラ商品史 バラ商品史

 

香りの黒薔薇「パパ・メイアン」
偉大な創業者のメイアン氏の業績を偲び、1963年に名付けられた「パパ・メイアン」。ビロードのような暗赤色剣弁の名花です。いかにも赤薔薇、という感じの整った美しさだけでなく、このガーデン随一のすばらしい香りの品種です。たとえようもないその芳醇な香りをぜひ嗅ぎにきて下さいね。
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巨大輪つるバラ「マリア・カラス」
ひときわ目立つ、アーチのつるバラは、「マリア・カラス」20世紀を代表するソプラノ歌手のファンだった、メイアン2世が1865年に捧げた迫力ある大型の花。四季咲きで香りもなかなかです。
バラ商品史 バラ商品史

 

様々な商品や、それを開発、販売した企業、その経営者について調べ、研究を行なうことも、経営学のテーマのひとつです。皆の身近なものにも、思いもかけないような歴史や感動のストーリーも隠れているかもしれません。

経営学科・天野ゼミでは、このような商品にまつわる歴史の探索も行なっています。一緒に学んでいきましょう。

メイアン社のWEBサイト(フランス語)
http://www.meilland.com 

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