平成29年度 採択課題 研究概要

研究代表者氏名 山田 綾 所属 教育学部教育学科
小幼コース
職位 教授
研究種目 平成29年度科学研究費助成事業
(基盤研究C)
研究課題番号 17K04589
研究課題名 中学校のアクティブ・ラーニングにおける「対話的実践」の可能性と課題

研究の目的

本研究では、日本の中学校でアクティブ・ラーニングを導入する際に、主体的で深い学びが成立するために「対話的実践」が果たす役割と条件について明らかにすることを目的とする。そのために、以下に取り組む。
1.フランスのフレネ中等教育の実験的プログラムを取り上げ、主体的で深い学びの具体的展開を「対話的実践」の視点から検討する。教授中心の教育から生徒主体の学習へと転換する際に、生徒の個別化学習と共有化における「対話的実践」の可能性と課題や教師の役割・教育課程・評価のあり方との関係について検討する。
2.日本で戦後生活教育の理念に基づき全教科や総合学習で問題解決的学習過程に取り組む学校(愛知教育大学附属岡崎中学校など)と公立中学校の調査を行い「対話的実践」の可能性と課題を検討する。

期待される研究成果

本研究では、ダイナミックにカリキュラム開発とアクティブ・ラーニングに取り組む実験校の実践を「対話的実践」を核に分析し、アクティブ・ラーニングを具体的に実現していく視点を明らかにする。取り上げるのは、研究代表者・山田が昨年3月まで校長を務めた戦後生活教育の理念に基づき問題解決的学習過程で授業を展開してきた愛知教育大学附属岡崎中学校や同様の理念を掲げてきた中学校の実践と、実験的にフレネ教育をおこなうクラスを設置したフランスの中等教育プログラムである。
それゆえ、第1に、アクティブ・ラーニングがどのように対話的実践を成立させ、主体的で深い学びを実現できるのかについて検討できる。両実践を比較し、フレネ教育と生活教育の共通点と独自性から、「対話的実践」の役割や意義、課題と条件を明らかにすることができる。そこからアクティブ・ラーニングの可能性と課題を明らかにできる。
第2に、「対話的実践」を成立させるには、教科担任制である中等教育ではカリキュラム・マネジメントが重要になるが、対話的実践の成立とカリキュラム・マネジメントの関係を明らかにすることができる。 これらにより、2017年3月告示の学習指導要領おいて求められている「主体的で対話的で深い学び」とは何か、そしてどのような課題があり、どのような条件が必要になるのかを実践的かつ原理的に明らかにすることが期待できる。

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研究代表者氏名 八木 成和 所属 教育学部
教育学科
職位 教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 17K04652
研究課題名 保育者の教育相談能力を高める研修プログラムの開発

研究の目的

保育者は保護者との連携を深めることが求められ、教育相談の能力向上が必要となる。保育現場における発達障害のある子どもや「気になる」子どもへの対応は喫緊の課題である。また、教員免許更新制の必修領域の内容が見直され、選択必修領域の中に「教育相談」の内容が含まれた。今後、教育相談を行うための発達障害のアセスメント、その結果に基づく支援計画の立案は研修すべき喫緊の研修内容と考えられる。今後も保育者の資質向上は更に求められる。そこで、本研究では、更新講習における教育相談に関する研修内容を事前の課題意識調査、事後評価及び追跡調査から受講者の研修ニーズと研修の成果を明らかにし、その結果を基にして教育相談に関する保育者の研修プログラムを開発することを目的とする。

期待される研究成果

本研究では特別支援教育におけるアセスメントとそのアセスメント結果に基づく支援目標と計画の立案に関する保育者の知識と技能を高め、教育相談の能力を高めるための系統だったプログラムの開発を目指している。本研究は、保育現場の特別支援教育や「気になる」子どもに関する喫緊の課題に対応できる内容であり、「人的環境」としての保育者に対する新たな知見を提供できるものである。また、本研究の成果を公表することで全国的に更新講習の改善に資することができる。

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研究代表者氏名 浅田 昇平 所属 教育学部
教育学科
職位 准教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 17K04653
研究課題名 教育と福祉の「関係性」に関する原理的・実証的研究

研究の目的

 本研究は、子どもの教育・福祉の権利保障のあり方が社会的に注目される現況の中で、教育と福祉の「関係性」(その共通性と差異性、接点・連携・統合・融合等の内実とその可能性)を、とりわけ「子どもの生活・生存保障」という観点をもとにして教育、福祉の原理、実態(制度・政策、実践現場)の両面から究明することを課題とする。これを通じて教育と福祉の関係原理を求めることによって、「教育福祉論(学)」のさらなる深化を図ることを目的とする。

期待される研究成果

 先行研究では、教育、福祉の固有性を横断または包含する視座で両者の「関係性」を実証的に究明することを積極的に意図した研究は少ない。こうした研究状況を踏まえ、「子どもの生活・生存保障」という観点からこれを究明することは「教育福祉」研究の深化を図るものであると捉えられる。ここに本研究の期待される研究成果がある。

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研究代表者氏名 原 順子 所属 人文社会学部
人間福祉学科
健康福祉専攻
職位 教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 17K04282
研究課題名 聴覚障害ソーシャルワーカーの養成プログラムに関する研究

研究の目的

 聴覚障害ソーシャルワークの専門性を担保したソーシャルワーカーを養成するためのプログラムを開発・検証することを目的として、研究をおこなう。
 研究代表者はこれまでに、聴覚障害者の特性やさまざまな実態の理解に必要な「ろう者学」の修得の重要性や、聴覚障害ソーシャルワーカーに必要なコンピテンスを抽出し、聴覚障害ソーシャルワークの専門性を構築している。しかし、これらの専門性を修得するプログラム研究は未だなく、社会福祉士、精神保健福祉士といった国家資格のカリキュラムにも含まれていない。そこで海外における聴覚障害ソーシャルワーカーの養成に関する情報収集ならびに第一線で活躍している国内外の聴覚障害ソーシャルワーカーへの調査から、専門性を担保した聴覚障害ソーシャルワーカーの養成プログラムを開発し、またその検証をおこなう。

期待される研究成果

 聴覚障害者を対象とする聴覚障害ソーシャルワーカーの養成プログラムが開発されれば、生活上の問題を抱える聴覚障害者への相談支援の質が担保されることになる。特に文化モデルアプローチ、Anti-Oppressive Social Work、Cross-Cultural Social Work、Critical Social Work 理論を修得した聴覚障害ソーシャルワーカーを養成すれば、ストレングス視点での介入ができ、聴覚障害者をエンパワメントすることができると考える。これらの理論がソーシャルワーカーにとって重要であることを検証することで、社会福祉士、精神保健福祉士の養成教育にも汎用することができる。
<具体的な研究成果>
①聴覚障害ソーシャルワーカーの養成プログラムを開発する。
②ソーシャルワーク理論や文化モデルアプローチが、養成プログラムにどのように反映されているのかを明確にする。
③社会福祉士、精神保健福祉士のカリキュラムに加え、聴覚障害ソーシャルワーカーが修得すべきカリキュラム内容を明確にする。

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研究代表者氏名 松山 由美子 所属 短期大学部
保育科
職位 教授
研究種目 基盤研究(C)一般 研究課題番号 17K01166
研究課題名 幼児の学びと保育者の保育を支援するタブレット用アプリとその活用に関する実証的研究

研究の目的

 幼児の育ちに適した情報の教育・保育利用について考え、幼児期の学びにふさわしく、かつ保育者も安心して活用できるメディア教材の開発が重要であると考えており、2014年度から幼稚園等の保育現場における幼児の育ちに寄与するタブレット用アプリケーション「ASCA(Archives Sharing and Creating Album for Kindergarten)」の開発に着手し、保育現場で実証実験を始めた。この研究を継続して積み重ねることで、幼児の育ちや保育者の保育を支援するタブレット端末の活用とアプリケーションのあり方をまとめ、保育現場における望ましいメディア環境のあり方を、特にタブレット端末活用やアプリ開発の視点から提案することが目的である。

期待される研究成果

 現在、日本の保育分野では、幼児の評価のあり方について特にポートフォリオ評価への関心が高まっており、そこにデジタルカメラ等のメディア活用が注目されている。本研究では、保育現場と連携して日本の保育に即したタブレット活用ができるアプリの開発を行うことが可能なため、幼児の学びを支援する保育者の意見を取り入れながら、保育者の評価活動への支援も可能にするようなメディアのあり方について提案することも可能である。日本の保育における保育者の多忙さや困難さを解消することにとどまらず、保育をより豊かなものにし、メディアが保育者と幼児の双方にとって有効である保育実践を支援するツールとなることを示すことができると考えている。
 また、保育現場に必要なアプリの機能の提示を含めたアプリ設計・開発だけではなく、幼小連携や家庭との連携におけるメディア活用についてそれぞれに考えてきた研究者が共同してこの「ASCA」の開発と実践をもとに研究の結果を分析することで、従来から議論されている幼小連携及び家庭との連携の強化についても、メディアの双方向性を活用することにより進む可能性が見出されており、アプリの設計・開発と実践によってそれらの課題についても有効な知見を示唆できると考えている。

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