平成28年度 採択課題 研究概要

研究代表者氏名 田島 智子
(タジマ トモコ)
所属 人文社会学部
日本学科
職位 教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 23520263
研究課題名 平安期における文学と美術の相互関係―文献と文献に近似する現存美術作品からの探求―

研究の目的

(1)目的
平安時代の文学作品には、美術的な作品の記述がたくさん出てきます。屏風絵・歌絵・地獄絵・物語絵などの絵、州浜などの作り物、櫃などの調度品の模様、衣装の模様と様々です。それらは、物語に取り込まれ、歌に詠まれるなどして、文学に欠くべからざる存在です。また、当時の貴族社会にあっては、生活の一部でもありました。そのような文学と美術の関係を解明し、平安時代の文化のありようを浮き彫りにすることが、本研究の目的です。
(2)研究の基盤となる調査
その研究の基盤とすべく、下記の二つの調査を行います。
【調査1…文献に見られる美術作品の記述を収集し、コンピューターで整理。】
【調査2…屏風絵も含めて、平安期の美術作品はほとんど現存しない。平安期の絵をイメージする次善の方法として、正倉院御物や後世の美術作品から近似のものを主終始、コンピューターで整理。】

期待される研究成果

(1) 平安期の美術に関する資料集の作成
美術に関する文献での記述を収集整理して、資料集にまとめます。また、文献の記述を視覚的にとらえるために、現存する美術作品から近似する場面を求め、写真で確認できるようにします。このような資料集は、研究者だけでなく一般の人々にとっても、平安文化を理解する上で有効となるでしょう。
(2) 文学と美術についての総合的な考察
文献に見られる記述は、屏風絵が圧倒的に多い状況です。屏風歌については、すでに拙著『屏風歌の研究 論考篇・資料篇』(和泉書院 2007年 第九回紫式部学術賞受賞)において、資料収集とその研究を行いました。それと比較することで、用例の少ない他の美術作品のあり方を解明することができます。
たとえば、州浜という作り物を例にすると、文献には次のようなパターンが見出せます。
「川に千鳥の風景」(『宇津保物語』藤原君巻)
「海に海人の風景」(『同』祭使巻)
「松に鶴の風景」(『同』蔵開上巻)
これらと同じ構図は、屏風絵でも確認できます。屏風絵と比較することで、州浜に選ばれた構図が、屏風歌でも親しまれていたことがわかり、当時の文化的な志向だったことが判明するわけです。このように、屏風絵及びそれ以外の美術作品全般と、それに伴う文学を広く研究対象とし、美術の面から平安文化の意義を明らかにします。

この科研費について、さらに詳しく知りたい方は、下記をクリック!
http://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-23520263
※国立情報学研究所の科研費データベースへリンクします。

研究代表者氏名 今井 真理
(イマイ マリ)
所属 人文社会学部
人間福祉学科
保育専攻
職位 准教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 25370196
研究課題名 脳機能イメージングを活用した芸術表現時の脳内機序の解明

研究の目的

 本研究は非科学的なるものと一般的に認識されている芸術領域を科学的に捉えることを目的としている。
 また、データ解析モデルを作成し、芸術表現時に対する脳の反応を司る神経メカニズムを研究し、 脳機能イメージングによる芸術表現時の脳内機序を目指すものである。

期待される研究成果

 次世代の脳機能イメージング応用技術の開発めざすこととし、また、芸術表現時の脳内活動の全貌を明らかにしつつ、一般的には抽象的で理解しづらいとされている芸術の分野において最適なシステムの構築に寄与できると考える。

この科研費について、さらに詳しく知りたい方は、下記をクリック!
http://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-25370196
※国立情報学研究所の科研費データベースへリンクします。

研究代表者氏名 原 順子
(ハラ ジュンコ)
所属 人文社会学部
人間福祉学科
健康福祉専攻
職位 教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 25380811
研究課題名 聴覚障害者への相談支援における文化モデルアプローチの研究

研究の目的

 聴覚障害者を対象に相談支援活動をおこなうソーシャルワーカーの支援モデルとして「文化モデルアプローチ」の有効性を明確にし、且つ理論的に構築することを目的として研究をおこなう。具体的には、クライエントが聴覚障害者の場合には、聴者の場合とは異なる独自の「文化モデルアプローチ」が有効であり、このアプローチは聴覚障害者のろう文化を基盤としたストレングス視点に基づくアプローチであることを実証する。実証化のために、ろう文化に関する調査研究および聴覚障害ソーシャルワーカー(海外のソーシャルワーカーを含む)への質的・量的調査を実施する。更に、主流文化である聴文化に対するろう文化の有り様についても考察する。

期待される研究成果

 聴覚障害ソーシャルワーカーのろう文化視点による「文化モデルアプローチ」が有効であることが明らかになれば、聴覚障害ソーシャルワークの専門性がより明確となり、クライエントとしての聴覚障害者を医療・病理モデルではなく、文化モデルでの視点で相談支援をおこなうことの是非が明らかになる。また、「文化モデルアプローチ」が実践されるには、独自のカルチュラル・コンピテンスが必要とされ、社会福祉士、精神保健福祉士といった国家資格取得者が少ない現状から、聴覚障害に関する専門知識や技術をもった聴覚障害ソーシャルワーカーの育成に貢献できると考える。

<具体的な研究成果>
① 聴覚障害者の独自の文化であるといわれるろう文化の実態、デフコミュニティおよび聴者社会での認知度を調査により明確にする。
② ろう文化視点に基づく「文化モデルアプローチ」が有効であることを、聴覚障害者を対象に相談支援をおこなっているソーシャルワーカーの相談内容から明らかにする。
③ ろう文化に対する認知度は国によって違うが、障害学研究が進んでいるアメリカとイギリスを中心にその実態を調査し、日本との相違点を明らかにする。
④「文化モデルアプローチ」により、聴覚障害者へのストレングス視点での介入 が可能となることを理論的に明確化する。

この科研費について、さらに詳しく知りたい方は、下記をクリック!
http://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-25380811
※国立情報学研究所の科研費データベースへリンクします。