平成26年度 採択課題 研究概要

研究代表者氏名 鳥海 直美
(トリウミ ナオミ)
所属 人文社会学部
人間福祉学科
健康福祉専攻
職位 准教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 26380809
研究課題名 障害児への相談支援におけるアドボカシーに関する実証的研究

研究の目的

 本研究は、わが国のソーシャルワーク実践領域において、子どもの意見表明権の保障を価値基盤としながら、障害児の権利擁護の充実を目指すことを展望している。
 イギリスの子どもアドボカシーサービスの理念および制度を援用し、ライフステージの移行を伴う学齢期の在宅障害児を対象とするアドボカシーサービスの試行的実践を通して、障害児への相談支援モデルを開発することを目的とする。

期待される研究成果

(1)障害児相談支援事業における相談支援専門員の実践を可視化することによって、子どもの意見表明権が保障されにくい状況が浮き彫りになるものと予想される。現行の相談支援における代弁機能の限界を実証的に明らかにすることによって、障害児のアドボカシーサービスの潜在的ニーズを把握することが期待される。
(2)アドボカシーに着眼した相談支援の方法がガイドラインに反映されることによって、障害児への相談支援の質の改善が図られることが期待される。
(3)障害当事者が障害児の代弁者を担うことによって、ピアアドボカシーの可能性を拓くことが期待される。
(4)子どもの意見表明権にかかわる理解を実践現場に浸透させながら、それに実効性をもたせた相談支援モデルを提示することによって、国連・子どもの権利委員会による勧告に応えることが期待される。

備考

【連携研究者】
堀正嗣(熊本学園大学)

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研究代表者氏名 廣瀨 隆司
(ヒロセ タカシ)
所属 教育学部
教育学科
職位 教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 26381237
研究課題名 算数教育における児童の数学的価値としての審美性認識のメカニズム

研究の目的

算数教育において, 児童の施行と言動に影響する要因の1つとして, 数学的価値があげられる。数学的価値を「高度の自律性を持つ文化遺産としての算数・数学において, 我々の欲求を満たす事象や対象の性質と能力である」と定義するとき, 数学的価値の本質としての選択により, 児童は, 言動の様式, 手段, 目的に関して, 数学的に望ましいとされる選択を行うと考えられる。算数教育における望ましい選択として, 本研究では, 「人の美と醜を識別する性質・傾向」としての審美性を採り上げる。そこで, 本研究の目的は, 審美性認識に関する児童の特徴を述べること, 算数教育における審美性に関する測定尺度を開発すること, 審美性に関する教材開発を行うこと, 開発された教材を用いた授業実践により, 授業の効果を明らかにすることである。

期待される研究成果

(1)本研究の学術的な特色  我が国において, 数学的価値としての審美性に関する研究はあまり行われていない。算数の背景となる数学は, 「美しさ」を求める学問であるので, 算数教育において, 数と計算・量と測定・図形・数量関係の各領域において, 児童の数学的価値としての審美性認識に関する研究を進めることが, 本研究の学術的特色である。 (2)本研究の独創的な点  数学が美を求める学問であるにもかかわらず, 本研究に関する研究が国内ではあまり行われておらず, 算数・数学教育の中での審美性の位置付けは低い。また, 国外でも一部の研究者が行っているにすぎない。図形領域における審美性認識に関する第2学年から第6学年の児童の特徴を述べること, 因子分析等による審美性に関する測定尺度の開発, 第6学年の児童を対象とした審美性に関する教材開発を行うこと, 開発された教材を用いた授業実践による授業の効果について明らかにすることは, 幾つかの算数・数学教育に関連する学会の学会誌を参照する限り, ほとんど見当たらないのが現状である。したがって, これらが本研究の独創的な点である。 (3)予想される結果と意義  本研究の予想される結果と意義に関して, 図形領域における審美性認識に関する児童の特徴を述べることは, 審美性に関する教材開発への示唆となる。数学的価値としての審美性に関する測定尺度の開発及び審美性に関する教材開発を行うこと及び開発された教材を用いた授業実践による授業の効果について述べることは, 算数科への関心・意欲・態度に対して, 新たな観点を付加することになる。また, 各小学校での算数科の研修等に参加したり, 講演や指導助言を行ったりする際に, 審美性について話すことにより, 本研究の成果を教育現場にフィードバックすることは, 教師の教科書を見る視点を増やすという観点から, 授業改善に役立つと考えられる。

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研究代表者氏名 田中 晶子
(タナカ アキコ)
所属 人文社会学部
社会学科
職位 准教授
研究種目 新学術領域研究
(研究領域提案型)
研究課題番号 24101508
研究課題名 司法面接における子どもの語り:質問形式と応答の関係性について

研究の目的

 海外では、事件や事故に関わったり、虐待被害にあった子どもから、出来事や体験について聴き取る際に、負担が少なく、正確な報告を促すようデザインされた面接法(司法面接や事実確認面接と呼ばれます)が考案され、用いられている。近年、日本においてもそのような面接法の翻訳が紹介され、実際に虐待が疑われる事例等で用いられ始めているが、日本における司法面接の基礎的な研究は少なく、欧米で用いられている手法が日本の子どもたちにどの程度有効であるかについては未だ不明確な点が多く残されている。本研究では、日本の子どもたちへ司法面接の形式に則った聴き取りを行うことにより、大人の質問と子どもの応答の関係性や、司法面接という場でのコミュニケーションの特徴を明らかにすることを目的とする。

期待される研究成果

 本研究において期待される研究成果(本研究が目指すもの)は以下の2点である。  ①日本の子どもたちへの司法面接の効果について明らかにします。特に、面接者の質問形式と子どもの応答との関係性や、子どもの語りの特徴を概観することにより、司法面接という場での大人と子どものコミュニケーションの特徴について明らかにすることを目指す。②本研究成果を実務家へフィードバックし、子どもとの面接を行う際に参考となりうる知見(基礎的データ)を提供するとともに、大人と子どものコミュニケーションを考える上での実証的なデータを積み重ねる起点となる資料を提示することを目指す。

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研究代表者氏名 田辺 昌吾
(タナベ ショウゴ)
所属 教育学部
教育学科
職位 講師
研究種目 若手研究(B) 研究課題番号 24700782
研究課題名 幼稚園・保育所における父親を対象にした子育て支援策の効果の検証

研究の目的

 本研究は、社会的に注目を集めている「父親の育児」に焦点をあて、父親がよりよい状態で育児を行うためには、幼稚園・保育所において、どのような子育て支援策が必要であるのか、また効果的な支援を行うために求められる保育者の専門性とはどのようなものなのかを明らかにするものである。
 各園(所)でさまざまな支援策が展開されているなかで、その支援の効果検証を、①支援の内容、②支援の提供者である保育者の専門性、③支援の対象者である父親の状態の3つの要因から検討し、これからの幼稚園・保育所に求められる父親支援策、および保育者に求められる父親支援力とはどのようなものかを明らかにすることを目的とする。

期待される研究成果

 期待される本研究の成果は次の4点である。(1)幼稚園や保育所で取り組まれている「父親支援」の現状を把握することができる。(2)乳幼児をもつ父親がよりよい状態で育児を行うために、幼稚園・保育所が取り組むべき子育て支援策が何であるのかを明らかにできる。(3)幼稚園や保育所が行っている父親支援の内容だけでなく、その支援を行う保育者の専門性について検討することから、保育者に求められる「父親支援力」とは何かを明らかにできる。(4)社会的、政策的関心事である「父親の育児」を、今後どのように展開していくことが望ましいのか、一知見を得ることができる。

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研究代表者氏名 五十川 飛暁
(イソガワ タカアキ)
所属 人文社会学部
社会学科
職位 講師
研究種目 若手研究(B) 研究課題番号 24730446
研究課題名 開発の現場からみた地域社会にとっての持続的発展

研究の目的

 現在、国家の財政難や環境問題などを理由として、公共事業の見直し論が再燃している。ただ、その是非が問題になるたびに右往左往させられる地元住民の姿が明らかになるにつけ、開発か否か、という構図そのものに限界を覚える。そうではなく、それが上意下達の政策に原因があるのだと考えるなら、いま、求められているのは、あらためて、下からの開発論であろう。なにが地域社会の発展にとって望ましいのか。本研究では、時間軸を含めた生活分析により、地域社会にとっての持続性を担保しうる開発の条件を明らかにしていきたい。

期待される研究成果

 本研究の目的を達成するために、いくつかの開発の現場を事例地として選定しながら、フィールドワークを実施していく。その際には、開発現象そのものというよりも、その舞台となっている地域社会のほうにポイントをおいて、現場の生活の事実を把握すること、およびそこからの検討を重視していく。そこで得られるであろう現場目線の開発の論理からは、学問的には、開発をめぐる既存の議論を批判的に発展させることができるだろうし、他方、政策論的にも、地域社会の発展のあり方について模索している各地の人びとが、自分たちの今後を考える際の判断材料を提供できるのではないかと想定している。

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研究代表者氏名 松山 由美子
(マツヤマ ユミコ)
所属 短期大学部
保育科
職位 准教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 26350351
研究課題名 幼稚園における子どもの学びと保育者の援助を支援する情報端末アプリケーションの開発

研究の目的

 スマートフォンやタブレットなど、操作性に優れたメディアの普及よって、幼児期の子ども達のメディア利用が進展しつつある。しかし、子どもの単独利用についてはコミュニケーション能力の発達などで危惧されるものでもある。幼児教育・保育の研究者と保育現場は、メディア利用をただ否定するのではなく、幼児にとって望ましいメディア環境、安心かつ適切なメディア利用方法を改めて検討する必要がある。幼児の育ちに適した情報の教育利用の形態について考え、幼児期の学びを援助し、かつ、保育者も安心して活用し保育をよりよく推進できるメディア教材の開発が求められる。本研究では、幼稚園における幼児の育ちとその育ちを支える保育者の援助に寄与するアプリケーションの開発を中心に、幼児教育現場おける望ましいメディア環境のあり方を提案する。

期待される研究成果

 幼児教育の分野では、従来、幼小連携の強化及び家庭との連携の強化が求められている。本研究で、幼児教育現場に即したタブレット利用ができるアプリケーションの開発とタブレットを活用した保育を通して、これらの連携が具体的に進む可能性がある点が特色である。保育から学校教育への接続につながるようなアプリケーションの内容の吟味や、家庭でのタブレットやスマートフォン利用と幼稚園でのタブレット利用との連携ができるような利用法は、幼児教育現場における設定保育内での使用を想定したアプリケーションで初めて可能であると考える。  さらに、一部のメディア活用推進者による幼児教育現場への導入ではなく、実際に子どもたちと接している若い保育者でも導入の意義を感じることができ、気負いなく使える操作性をもつタブレット利用を想定したアプリケーションの開発によって、幼児教育現場におけるメディア活用が身近になることを想定している。

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http://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-26350351
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