令和元年度 採択課題 研究概要

研究代表者氏名 橋本 智也
(ハシモト トモヤ)
所属 教育学部
教育学科
職位 講師
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K02874
研究課題名 IRの専門性活用と大学の文脈の相互構造に関する研究

研究の目的

IR活動が有効に機能するためには、専門性を備えた人材がいるだけでは不十分であり、その専門性が各大学の文脈の中で活用される必要がある。本研究は①「大学が期待する成果」、②「必要となる専門性」、③「IR担当者が実際に持つ専門性」の相互構造に着目し、IRの専門性が大学の文脈に合致して活用されるための促進要因と阻害要因を解明する。さらに、自大学がIRに期待している内容を明確化するためのツール(ルーブリック)を開発する。本研究によりIR人材と大学側のミスマッチを解消し、日本のIRを有効に機能させることを目指す。

期待される研究成果

本研究の成果について、学術的にはIRの専門性それ自体の研究から、専門性と文脈の相互構造の研究へと研究領域を押し広げるものであり、重要性を持つ。また、社会的要請が高まるIR人材に関するミスマッチを解消するものであり、その具体的な波及効果がある。

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http://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K02874
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研究代表者氏名 鈴木 浩太
(スズキ コウタ)
所属 教育学部
教育学科
職位 講師
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K03304
研究課題名 ADHDに関わる神経心理学的指標を包括的に取り入れたアセスメントバッテリーの開発

研究の目的

注意欠如・多動性障害(Attention Deficit Hyperactivity Disorder:ADHD)児の病態は、「反応抑制」、「作業記憶」、「持続的注意」、「遅延嫌悪」、「時間感覚」、「情動調節」など、多様な神経心理学的指標を用いて理解されてきた。他方、多様な指標が整理されていないので、臨床で活用することは困難である。本研究では、ADHD児に関わる神経心理学的指標を包括的に取り入れたアセスメントバッテリーを開発する。

期待される研究成果

先行研究では、単一の機能に基づく神経心理学的指標からADHD児の判別を試みるものがほとんどであり、ADHDを判別することに限界があった。本研究では、多様な神経心理学的指標がADHDに関わると考え、異なる神経心理学的特徴をもつADHDのサブタイプを仮定して研究を推進し、アセスメントバッテリーを開発する。ADHD児に対する支援法や薬物療法が提案されてきたが、どの方法でも、効果のあるケースとないケースが報告される。本研究の成果を活用して、サブタイプ別の支援方法が提案されていく可能性があり、エビテンスに基づく支援・治療を個人特性に合わせて提供するシステムの構築に貢献することが期待できる。

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研究代表者氏名 西元 康世
(ニシモト ヤスヨ)
所属 看護学部
看護学科
職位 講師
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K11052
研究課題名 小児看護領域における家族支援シチュエーションインデックスの開発に関する研究

研究の目的

小児看護領域で,看護師が家族看護問題を認識する場面(シチュエーション)をリスト化し,家族支援の介入を始める指標(インデックス)となる家族支援シチュエーションインデックスの開発をすることが本研究の目的である.そのために下記の①〜④の研究を実施する.
① 小児看護領域で,家族看護問題として取り上げられている事例と家族支援の現状を文献検討により明らかにする.
② 小児看護領域に従事する看護師が,家族支援の必要性がある家族看護問題を認識する場面について,看護師への半構成的面接調査により質的に明らかにする.
③ 半構成面接調査と同時に看護師の家族支援コンピテンシー等の特性についての質問紙調査を実施する.家族支援の必要性がある家族看護問題を認識する場面と看護師の家族支援コンピテンシーの関係性を検討する.
④ ①〜③の結果を統合,リスト化し,家族支援シチュエーションインデックスを開発する.

期待される研究成果

現在,家族支援の介入の指標となるものは,家族支援を実施した事例や家族看護学を基盤とする家族看護問題として示されているものが多く,看護師側の視点から家族看護問題を認識する場面を明らかにしたものはみられない.看護師側の視点から,家族看護問題を認識する場面が明らかになることで,多くの看護師が,家族支援が必要な場面を広く認識し,早期の家族支援の実践につながるではなかろうか.

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研究代表者氏名 小出 恵子
(コイデ ケイコ)
所属 看護学部
看護学科
職位 准教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K11183
研究課題名 優先順位に基づく保健活動を推進するスクラップ&ビルド実践ガイドラインの開発

研究の目的

 健康課題は多様かつ複雑化しており、優先順位を明確にした行政施策の選択が必要である。しかし、先行研究では新たな保健活動と施策の創出に焦点が当たっており、保健活動のスクラップや優先順位づけに関する知見は蓄積されていない。また、行政機関において施策案作成の役割を担う技術職は保健師が多く、行政内部の政策決定者の合意を得るには、優先順位とその判断基準を明示する必要がある。そこで、本研究の目的は、保健活動のスクラップ&ビルドを実現するための①多職種共有の判断基準と担当者、管理者としての保健師が②各々の機能を実行するために必要な技術から成るガイドラインを開発することである。                            

期待される研究成果

人材と予算等の資源が限られている中、既存の保健活動のスクラップ&ビルドは必須であり、ガイドラインの開発によって行政における合意形成が推進され、優先順位づけによる効果的な保健活動が展開できる。また、PDCAサイクルの重層的な展開モデルにおける保健師の技術の可視化および、保健医療福祉職の連携協働の推進に寄与する。        

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研究代表者氏名 亀井 縁
(カメイ ユカリ)
所属 看護学部
看護学科
職位 准教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K11229
研究課題名 海外駐在員と家族に向けたセルフストレスマネジメント教育プログラムの開発

研究の目的

海外駐在員は、日本での生活よりも多様で複雑な生活や勤務のストレスに曝されている。途上国や新興国のような医療支援の脆弱な生活環境では、駐在員自身が独りで、心の健康を保つことを余儀なくされている。研究者らはこのメンタルヘルスのセルフケア能力を高めるためのツールとして、中国上海の邦人駐在員を対象として自己覚知や不調の際の対処、生活情報に関する内容から構成される「海外勤務者ノート」(以下、ノートという)を開発した。これらの研究成果から、赴任前から駐在中、帰国後の期間をとおしてメンタルヘルスケアを考えることが必要であること、帯同家族を含めたケアの必要性も示唆された。本研究では、海外で働く日本人駐在員と家族を含めたメンタルヘルスのセルフストレスマネジメント教育プログラムを開発することを目的とし、いつでもどこからでも自由にアクセスが可能であるモバイルアプリケーションの将来的な開発も視野に入れ、教育ツールの開発に取り組む。

期待される研究成果

本研究の目的は、海外駐在員と家族に向けたセルフストレスマネジメント教育プログラムを開発することである。教育プログラム開発とは、先の研究成果を基盤として、ノートを洗練させ、単身者用と帯同家族用に分冊し発展させること、また、赴任前と帰国後の研修の企画運営(1回/年)とノートの普及活動、及びノートの活用に関する評価である。
本研究により中国上海で働く邦人駐在員とその家族や事業所の規模・事業の種類に関わらず、誰もが、いつでも自由に取り組めるセルフストレスマネジメント教育プログラムにより、メンタルヘルスのセルフストレスマネジメント能力を備えることが期待できる。

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研究代表者氏名 高橋 美奈子
(タカハシ ミナコ)
所属 人文社会学部
日本学科
職位 准教授
研究種目 基盤研究(C) 研究課題番号 19K00637
研究課題名 気づかれにくい文法的類義表現の研究

研究の目的

 類した意味を持つ「類義語」があるように、文法現象を担う文法形式にも、その意味用法や機能において類する点を有する「文法的類義表現」が存在する。日本語文法研究において、同じカテゴリーに属する複数の形式(例:完了相を表す「タ」と「テイル」等)の間に見られる共通点や相違点を明らかにすることは、そのカテゴリーの研究の精緻化のために盛んに行われてきた。これら、同じ文法カテゴリーに属する形式間の類義関係は気づかれやすく、かつ取り上げられやすく、すでにかなり研究が進んでいる。
 しかし、異なる文法カテゴリーに属する形式や、品詞を異とする形式であっても、使用条件によっては類義となるという現象も観察される。(例:「~を試みる」の類義表現は「~(し)てみる」と考えられているが、過去の事態「~を試みた」と類義となるのは「~(し)てみた」ではなく「~(し)ようとした」である。)それら、異なる文法カテゴリーに属する形式や、異なる品詞に属する形式の間に見られる文法的類義現象にはどのようなものがあるのか。それはどのような場合に成立するのか。これが本研究の根源的な問いとなる。
 本研究の目的は、既によく知られ研究もされている著名な文法的類義表現ではなく、まだよく知られていない、あるいは存在が看過されてきた文法的類義表現を追究することである。そのような文法現象を「気づかれにくい文法的類義表現」と捉えて、日本語の各領域の中から抽出し、整理・体系化するところに、本研究の独自性がある。

期待される研究成果

 過去の文法的類義表現の研究でまとまったものとしては宮島達夫・仁田義雄編(1995)『日本語類義表現の文法(上)単文編』・『同(下)複文・連文編』があるが、同書は著名な類語表現を優先的に取り上げ、記述することを専らとしている。また、非母語話者の誤用を扱う市川保子編著(2010)『日本語誤用例辞典』では、非母語話者の文法上の誤用として、カテゴリーの同一性や形態の相似のほか、意味の類似によって生じる例をも挙げており、示唆に富むが、文法的類義表現を正面から扱うものではない。
 これらに対し、本研究は、それほど知られていない類義表現、類義であることが看過されてきた表現・形式としてどのようなものがあるかを明らかにし、それらを整理して体系的に示し、個々の表現・形式について記述する。次のような成果が期待できる。
(1) 日本語の文法的類義表現の研究の進展―これまで看過されてきた類義表現の存在を明らかにし、その様相を適切に記述する。
(2) 日本語文法研究の更なる充実―カテゴリー、形態論の枠を越えた文法的類義現象を精緻に記述することで、文法研究に新たな知見を加える。
(3) 日本語教育への応用―気づかれにくい文法的類義表現についての適切な記述は、日本語を教える教員にも有用であり、また教え方や教材に反映させることで、日本語学習者にとっても有益なものとなる。

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