H29年度 第2回あべのハルカス公開講座を開催しました



平成29年度前期第2回あべのハルカス公開講座を実施しました。

今回は、教育学部佐藤広康教授が「ニューヨーク留学時代」というテーマでお話し頂きました。
佐藤先生が留学されたのは、昭和50年代、世界大国アメリカ、大都市ニュ-ヨーク。アメリカには、経済大国特有の、大量移民、貧富差、宗教差、人種差などによる明瞭な生活区域の境界があったそうです。また、貧困、犯罪、極悪な衛生状態の地域、麻薬取引の公園(売人から声をかけられた事もあるとか…)など、外観的身分とは全く異なる裏社会の存在を目の当たりにされたそうです。
世界最先端を行くアメリカでの研究留学、ニューヨークでの日常生活、多国の異種文化との接遇を通じて、佐藤先生は、日本では経験できない多国人種による生活習慣の違い、ものの考え方(レジの長蛇の列は当たり前、しかし店員はコーラを飲みながらマイペース)について学ばれました。
また、当時、日本からの研究留学生活の維持はそう楽ではなかったとのこと。外貨変換率250円/ドルでも、高いエンゲル係数の日々の生活では100円の価値しかありません。よく見られる一般的アメリカ人のゆとりある(?)日常生活とは隔絶した思いを抱き、大国アメリカとの経済力の差を痛感させられたそうです。もっとも、米国でも他大学(ヒューストン、シンシナティ)で経験した研究生活とは大きなギャップがあったそうで、それが、表裏一体の表情を持つニューヨークの華麗な魅力なのかも知れないと仰っていました。
昨今、複雑な世界情勢の中、自由と希望・平等・民主主義を唱えるアメリカから、”Make America (and also World) Great Again”を願うという期待を述べられて、講演は締めくくられました。
聴講の皆様も、古き良き時代のアメリカに思いを馳せながら、興味深い様子でいらっしゃいました。今後も当講座では、「教養と好奇心で巡る世界の旅」と題して講座を展開していきます。多くの皆様のご参加をお待ちしています。


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