研究・教育施設

ウパーヤの取材見学を行いました

 

12月7日、IBUの仏教教育広報誌『ウパーヤ』の取材のため、奈良県生駒郡平群町にある信貴山朝護孫子寺(しぎさん ちょうごそんしじ)に行ってきました。
今から1400余年前、聖徳太子は、仏教の布教に反対していた物部守屋を討伐しようと河内の稲村城へ向かう途中、この山に至りました。太子が戦勝の祈願をすると、天空遥かに毘沙門天(多聞天ともいいます)が出現し、必勝の秘法をお授けになりました。その日は奇しくも寅(とら)の年、寅の日、寅の刻でありました。太子はそのご加護で勝利を収め、この山を、信ずべく貴ぶべき山「信貴山」と名付けました。以来、信貴山の毘沙門天は寅に縁のある神として信仰されています。

 

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右の写真は竜のように見えますが、「白虎」(びゃっこ)です。白虎とは、中国の伝説上の神獣で、東西南北の守護のうち西方を守護する神獣です。四神の中では最も高齢の存在であるとも言われています(逆に最も若いという説もあります)。
「朝護孫子寺」という名前の由来は平安時代にさかのぼります。醍醐天皇がご病気となり、勅命を受けて命蓮上人(みょうれんしょうにん)が毘沙門天に病気平癒の祈願をしました。すると、天皇のご病気はたちまちにして癒えたのです。そこから、朝廟安穏・守護国土・子孫長久の祈願所としてこの名が授けられたということです。

この日は寺内の宿坊千手院にて、「大根炊き会」が開催されており、私たちも参加しました。このイベントは、地元をはじめ、三重県や長野県の農家から奉納された大根を参詣客に振る舞い、無病息災と厄除け、長寿を祈願するもので、20年以上前から行われているそうです。「すずしろ」とも呼ばれる大根は、春の七草の一つで、寒い時期に根菜を食べると体が温まると言われています。
食券を買うと、お札が貰えます。そこに名前と年齢、願い事を記入。厄除け長寿祈願のご祈祷をしていただけます。 

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これはご祈祷の様子。棒状の物で背中を数回叩かれます。
それらがすべて終わると、大根がいただけます。 

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あつあつの大根を食べて、体の芯から温まりました。

その後、私たちは様々な名所を巡りましたが、その中でも最も印象に残ったのは「空鉢護法堂」(くうはちごほうどう)でした。
この「空鉢」という名前は、命蓮上人が竜王の教えを蒙り、空っぽの鉢を飛ばして長者の米倉を山まで運び、驚き嘆く長者に慈悲の心を諭して福徳を授けたというお話に由来しています。当寺に伝えられる絵巻の傑作『信貴山縁起絵巻』は、その命蓮上人の事跡を描いたものです。
この空鉢護法堂には竜王が祀られ、守護神として信仰されています。 

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水をお供えするため、麓の水屋でポットに水を汲み、20分ほど山道をのぼりました。いくらのぼってもなかなか先が見えず、はじめは楽しく喋りながらのぼっていたのですが、後半はどんどん口数が減っていきました。思いのほか、つらく苦しい道のりでした。
やっとのことで山頂に辿り着くと、そこには奈良盆地を見渡す素晴らしい景色が広がっていました。
 

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山道をのぼってきた疲労はどこかへ飛んでいきました。空気も澄んでいて、こんな綺麗な場所なら竜の神様がいてもおかしくないと思えました。
他にもたくさんの名所があり、すべてを回りきることはできませんでしたが、とても楽しく、良い勉強になりました。また、信貴山には松永久秀が拠点にしたとされる信貴山城跡があり、戦国武将にも非常にゆかりのある地です。
興味のある方は是非訪れてみてください。                 (ウパーヤ学生編集員:後藤瑞穂)

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