研究・教育施設

野中寺参禅会

 共通教育科目「仏教実践演習での課外活動として、11月17日(土)に、大学近くの野中寺で座禅会を行いました。野中寺は通学途中に朱色の門を目にする方も多いと思いますが、一歩境内へ入ると、外の喧騒とは異質の静かな空間が広がっています。
 境内では飛鳥時代に建立されたという法隆寺様式の塔・金堂の址を見学しました。1400年以上昔の礎石が、当時の伽藍を彷彿とさせる形で残されています。それを間近かに見ると、大学のあるこの場所が歴史文化の豊かな土地であることを改めて実感させられます。

 野中寺は江戸時代、全国に知られた律宗の修行道場でした。わたしたちも曹洞宗の僧侶である西岡秀爾先生のご指導により、足の組み方、姿勢の整え方、呼吸の仕方などを教えていただいたあと座禅を組みました。以下は学生の感想です。
 ・足がしびれて、「早く終わって」と思った。
 ・いろいろな考えが頭に浮かんで、考えを捨てるのが難しかった。
 ・足は少ししびれたが、時間は短く感じた。
 ・フワフワ開放されたようで気持ちよかった。
 ・鳥のさえずりがきれいだった。
 ・落ち着いて、すがすがしいいい気持ちだった。
 ・呼吸を聞いていると、眠る時のようないい気持ちになった。
「骨盤の上に脊椎を真っ直ぐ立てる―積み木を重ねるイメージ、その上に頭を置く」「何も考えないno‐thinkinng は難しい。『何も考えない』ということに縛られないfree-thinking 、 fresh-thinking で行いましょう。」という西岡先生のアドバイスで、短い時間でしたが体が整い、頭がリフレッシュしました。「毎日5分でも習慣にすることで日々が変わってきます」―こうして座禅会は終了しました。

 その後、ご住職の野口眞戒先生のご案内で、江戸時代からのこる本堂、食堂、かつて僧侶たちが住み込んで修行した重要文化財の宿舎「比丘寮」を見学させていただきました。仏像に花を供える棚と文机そして不眠の修行を行う繩床(じょうしょう)、ごくわずかの物しかない四畳半の宿舎を見ると、当時の僧侶の真剣な修行の生活が想像されました。

 午後は竹内街道を古市方面に向かって散策し、街道沿いの仁賢天皇・日本武尊(やまとたけるのみこと)の陵墓を見学しました。日本武尊は父景行天皇の命で各地へ遠征し、最後は力尽きて異郷の地で没した悲劇のヒーローです。古典の教材でもおなじみですね。その日本武尊の魂が白鳥となり、羽を曳いて飛び来たったことからこの地を「羽曳野」といようになりました。つまり羽曳野の地名の由来になった皇子さまのお墓が日本武尊陵(白鳥陵)です。

 古市駅を東へわたり竹内街道と交差する東高野街道を北へ向かうと、応神天皇を祭神とする誉田八幡宮の広々とし境内にたどりつきました。すぐ北はまるで古市古墳群最大、日本でも第二の面積をほこる応神天皇陵のうっそうとした墳丘が、初冬の夕暮れにそびえていました。

  今回の座禅会は、四天王寺大学の学生のほか、現在、留学中の浙江工商大学の留学生の皆さんも参加してくれました。現代日本に引き継がれた伝統文化、この地に今も残る歴史の息吹を、体験を通して感じてくれたならうれしいです。

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